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北東北への旅 (4・5.十和田、 6.奥入瀬)
環状列石遺跡

十和田湖と奥入瀬の写真は、こちら


4.十和田までの道中

 それから、十和田湖を目指してふたたびバスに乗ったのであるが、北上する途中で、秋田県を通った。尾去沢鉱山、小坂鉱山など、中学校の地理の時間に習った懐かしい鉱山名が出てくるが、鉱山業の衰退とともに、尾去沢などは史跡尾去沢鉱山というテーマパークとなっているらしい。道中、鹿角市(かづの市)あたりで、ガイドさんが「ここには大湯環状列石というものがありますが、今通っているこの道路の両脇にも、別の環状列石があり、その近くには、三角形をした山があります。大湯環状列石の北東には黒又山という小山がありまして、大湯環状列石からはきれいな三角形に見えます。」という説明をしていた。その環状列石の名は忘れたが、その近くには、確かに三角形の山があった。

 大湯環状列石は、イギリスのストーン・サークルと似ているということで、すでに私の学生時代には話題となっていた。私が大学4年生の夏の頃、東北地方を旅した途中に、実際に見に行ったことがある。まあ、その頃からもう物好きの虫がうずいていたのかもしれないが、その時分には、三角形の山についての知見など一切なかったと記憶しているから、この40年ほどで、考古学も少しは進歩したという証なのかもしれない。


紅葉が色づくホテル十和田荘の庭


5.十和田湖畔

 さて、午後5時近く、もうかなり暗くなってから発荷峠に着き、そこから下って、湖畔の休屋にある宿まで行った。泊まったのは、ホテル十和田荘で、フロントの右手にある弁慶と義経のねぶたを見て、はっと思い出した。ここは5年前に泊まったホテルである。前回も、このねぶたを見て感心し、
写真に撮った記憶がある。お風呂の前で、ダァーダァーと大きな音をたてて流れ落ちている滝も、そのまま健在である。裏を返せば、この間、改修のための設備投資はなんらしていないこととなるが、それでもまた、こうして引き寄せられて来るお客がいるから、仕方がないのであるが・・・、食事は相変わらず並み以下であった。

十和田湖畔の遊覧船


 翌朝、休屋の船着場に回りを散歩した。紅葉が真っ赤に色づいていたし、ナナカマドも赤い実を重そうに付けて、やはり葉は真っ赤である。時折、団体客が通り過ぎるが、かなりの確率で中国語を話している。こんな東北の鄙びた山の中にも、中国からのツアーが来ているのかと感心した。暑い地域の人には、こうした紅葉などは、物珍しいのかもしれない。

奥入瀬の渓流


6.奥入瀬の渓流

 さて、バスは奥入瀬の渓流を下っていく。前回来たときは、八戸から山を上がって下流の石ヶ戸で降り、そこから十和田湖畔の子の口(ねのくち)までトコトコと歩いたものだが、今回は逆に下る方向である。しかも、途中は飛ばして、石ヶ戸まで直接行き、そこで20分間だけ時間をくれるというもので、あわただしくって仕方がない。それでも途中でバスガイドが、あれは姉妹の滝、これは玉簾の滝、派手な銚子大滝、次は雲井の滝だの、何の滝だのと、車中から滝の説明だけはしてくれる。前回は、自分たちだけで黙々とルートを歩いていて何が何やらわからなかったのに比べれば、少なくともこれは、前よりも進歩したところである。ちょうど、葉っぱがかなり落ちていて、滝を見通しやすくなっていた。しかし、「ああっ、あれは絶好の撮影ポイント」だと思っても、バスは無情にもさっさと通り過ぎる。なるほど、これがこの種のツアーの欠点かと思い知った。


奥入瀬の渓流


 幸い前夜からの雨は上がって、なんとか渓流沿いを歩くことができる。雨のせいで下がぬかるんではいるものの、なるべく道の端っこを飛び石伝いのように、とび跳ねて歩いた。湿気が高いせいか、石の表面についた苔がしっとりとしている。周囲の紅葉も美しい。絶好の撮影ができるはずで、ガイドさんは、流れの上流に向いて写真を撮るときれいだという。ところが、朝なので、その方向では逆光になってしまう。そこでやむなく、下流に向かってシャッターを切った。それでも、日の光が差し込んでくると、ジャージャーと流れる渓流の色が、薄い緑色から一気に青色に変わったりして、思わずこれはきれいだとつぶやいた。

 その合間には、渓流沿いの道から空を見上げると、ナナカマドの真っ赤な紅葉、ダケカンバの黄葉、ミズナラらしき薄茶の紅葉が、青い空と白い雲に映えて、これまた絶景を織りなしている。渓流もよいが、この季節は周りの紅葉もすばらしい・・・。そんなことを思っていたところ、もう出発の時間となり、再びバスに戻った。


奥入瀬の渓流


(2008年11月6日記)
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