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いちじく


 イチジクの季節となった。漢字では、「無花果」と書く。花を咲かせないままに、果実をつけるように見えるかららしい。写真のように、その果実は赤紫色で、見るからに頼りげのない形をしている。手に持てば、しっとりとした感覚と、少しざらざらとした感覚が入り混じって、不思議な手触りである。それをつかんで割ってみると、中には薄い赤紫色をしたとろりとした果肉があり、口に入れれば淡い甘さを感じる。秋のこの時期にしか出ない、はかない果物である。最近は、コンビニで、Figと、英語名を名乗って、乾燥したイチジクが売られている。しかし、イチジクは、もちろん生食に限る。

 昔は、どの家の庭にも、イチジクの木があった。どういうわけか、日の光が燦々と照りつけるようなところには育たずに、庭の隅っこのような、日当たりの悪いところでよく育ったように思う。しかし、最近は、あまり見かけない。東京などは、皆がマンション住まいになったせいで、日当たりの悪い庭すら持てない時代になったからかもしれない。

 ともあれ、家内が買ってきたこのイチジク 〜 愛知県の知多産ということだが、〜 それを、口に入れてみた。少年の頃によく味わった甘い味がして、あの頃の、みずみずしさを思い出した。





(2008年11月14日記)
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