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徒然111.第二の人生と夫婦
 私が社会に出たときの仲間たちと、久しぶりの同窓会があった。我々が初めて集ってから、はや35年有余の歳月が経っている。中には20年ぶりに会うような人もいるので、頭の毛がなくなったりゴマ塩になったりした紳士に、遠くから「やぁっ!」と言われても、誰だったかすぐには思い出せない。ニヤッとしたその笑顔を見て、ようやく「ああっ、あの………Aくんか」と気づくという次第で、どうにも締まらないことおびただしい。

 しかし、そういう他人行儀な時間もしばらく経つと、たちまちかつてのような親密な雰囲気に染まっていく。髪の毛がすっかりなくなろうが、顔の表面が皺しわになろうが、あるいはでっぷり腹が出たメタボ風の体になろうが、すぐに35年前の気分に戻って、そこここで「やあやあ、どうしていた?」から始まる談笑の輪ができるのは、とても楽しい。

 2分間以内ということで、ひとりひとり簡単なスピーチを行った。集まっていた人の数は、たかだか20人程度にすぎなかったのだが、それにしても還暦を前にして、色々なことがあったようだ。ひとりは、ガリガリに痩せていると思ったら、3年前に脳出血を起こしてやっと回復したという。余り太ったりすると、再発のおそれありとのことらしい。なるほど、それは大変だ………。でも、一時はどうなるかと思ったしゃべり方が、懸命のリハビリにより、聞いていてほぼ違和感がなくなるまでに回復したというのは、すばらしいことではないか。

 そうかと思うと、7年前に病気で奥様を亡くしたが、それとまったく同じ病気で3年前に今度は息子さんまでもが亡くなったという人がいた。パートナーだけでなく、子どもさんまで亡くなるとは、まあ何という不運なことか………。それで現在は、会社勤めのお嬢さんと二人で暮らしているとのこと。自分が病気になるのも困るが、こういう風に家族が連続して亡くなるというのも、身を切られる以上につらいことだろう。

 また別の人の話だが、つい最近、再婚したとのこと。ただし、もう歳なので、特に周りに披露するようなことはせずに、ローキーに徹しているという。こちらは、逆におめでたというわけだ。「何歳年下だぁ?」と聞かれて、「20歳くらいって、ホントか?」と合いの手を入れられ、あわてて「いやいや、4つ下だ」と弁解していた。

 そんな話が出る一方、もう退職の年を迎えることから、家庭円満の秘訣のようなものに言及する仲間もいた。中でも面白かったのは、こんな話である。「ある先輩から、退職後の夫婦関係についてのアドバイスを受けた。三つの原則を守れというのである。それは、『(1)奥さんと違う趣味を持て、(2)奥さんと同じ趣味を持て、(3)一緒の部屋で寝ろ』というものである。」

 このうち、(1)奥さんと違う趣味を持て、というのは、おそらく、ひとりの交際範囲は狭いので、夫婦それぞれに別の趣味があれば、各々の世界を垣間見ることができるので、それだけ豊かな老後を送ることができるのではないかという趣旨だろう。この話をした人は、むしろ(2)奥さんと同じ趣味を持とうとして、「楽器の演奏」を始めたようだが、退職後に始めた仕事が忙しくなって、それも中途半端に終わったようだ。「それじゃ、(3)一緒の部屋で寝てるんだろう?」と野次馬の声があがり、それには「いやいや、同じ部屋で寝るのは家内から拒否された」と答えたので、大笑いとなった。



(2008年12月09日記)
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