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干支の丑と母子手帳


 田舎の両親から、年末のある日、どさっという音とともに荷物が届いた。開けてみると、大きな箱に、鱒寿しや桜エビなどの珍味、そして手紙である。手紙によると、私の還暦祝いとして、父が九谷焼の窯元に干支の置物を注文した。それが出来上がったという知らせを受けて、その窯元までの何百キロかの道のりを、父が自らわざわざ車を走らせて、受け取りに行ったそうな。誠に頭の下がる思いである。

 おかげで、冒頭に飾った写真のとおり、まるで生きているような黒い丑が、私の家の玄関を飾ることとなった。いつもの薬師堂の置物が次の写真であるから、いやまあその迫力は段違いである。




 びっくりしたのは、干支の置物だけではない。手紙の中に、古い手帳があって、良く見ると、それは私の「母子手帳」ではないか。茶色く変色して、端はボロボロのところもあるが、書かれている記事は、今でも十分に読める。全部で20ページで、順に内容を書いていくと、

  ―仞呼禄从兢斂
 ◆’ド悗竜事
  お産の記事
 ぁ〇左紊諒譴侶鮃状態
 ァ,海匹發竜事
 Α,誕生までの乳児の健康状態
 А〕祝廟楴鑠,竜事
 ─ヽ惺擦惺圓までの幼児の健康状態
  配給の記事
  乳幼児発育平均値グラフ

 というわけである。これが60年前のものとは、思えないほどの項目である。このうち特に配給の記事などは、私の生まれた時代を表している。この手帳がないと、もらえなかったようで、肉50匁、妊婦加配、脱脂綿「ガーゼ」、粉乳、乳児用ネル・晒、乳児用衣料品などが事細かに書かれているし、砂糖購入通帳の交付という記録まである。いやいや、これは大変な時代であったようで、そのような困難な時に、私を育てていただいた父と母に、改めて感謝したい。


私の「母子手帳」



(2008年12月24日記)
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