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黄金の茶室
黄金の茶室。SGC信州ゴールデンキャッスル絵葉書より。


 新宿のタイムズスクェアにある高島屋で、「黄金の輝き展」という展示会を開催していた。金で造られた工芸品を紹介するという触れ込みなのだが、何のことはない、要するに金製品の展示即売会である。見物人は結構入っていた。しかし、たとえば紅茶スプーン一本が29万円とか、ケーキ用のフォーク一本が32万円とか、まあそういうお値段なので、真剣に買おうという態度の人は、ほとんど見かけなかった。

 ところで、この展示会の目玉はというと、「黄金の茶室」である。これは、豊臣秀吉が造らせたといわれる組み立て式の茶室を、文献と伝承にしたがって忠実に復元したものという。わずか3畳の小さな茶室であるが、金箔をおよそ1万5000枚使い、8ヵ月かけて完成した由。しかも、中に置いてある色々な茶道具もすべて金、それも純金でできている。だから、茶室の外観はもちろんのこと、内側の茶道具を覗き込んでも、四方八方から金の光線に射すくめられて、目もまばゆいばかりである。それだけでなく、金の色と、絨毯や格子に使われている赤い色との対比で、頭がクラクラとしてくるほどである。

 こんなところでは、落ち着いて茶の湯を楽しめないのではないか・・・そもそも、侘び寂びの茶の湯の精神に反するのではないか・・などと、余計な心配をしてしまう。ところで、この茶室、〆てお値段は3億5000万円とのこと。最近の経済が、戦後最悪の不況に突入したといわれる中で、いったい全体こんなものを買う元気のある人や企業が、果たしているのだろうか。


黄金の茶室SGC信州ゴールデンキャッスル絵葉書より。


 ちなみに会場には、この茶室のほか、1260万円の値札がついているハローキティの置物、2247万円の金の地球儀も展示されていた。これらを含めて、ここに飾られた金の工芸品のお値段は、総額20億円とのこと。うぅーむ・・・豪華絢爛な桃山の世界に思いを馳せたい人には向いているだろうが、私などは金の延べ棒を一本買う気も起らない。たぶん、こういう世界とはそもそも無縁の生活を選んでいるからだろう。

 これを見た後は、家内も私もなぜか無口となり、同じ高島屋新宿店の13階に上がって、そこの築地玉寿司で、にぎりを食べて帰途についた。ささやかな昼食だが、おいしかった。


築地玉寿司



(2009年2月2日記)
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