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文京シビックセンター
文京シビックセンターからの眺め。正面の緑の地区は、上野の森


 土曜日となった。冬の最中で、運動不足もはなはだしい。明日の午後は定例のテニスなので、少し体を動かしておく必要がある。そこで久しぶりに、文京区役所のある文京シビックセンターに歩いて行くことにした。その途中、本郷赤門前でインド料理店を見かけたから、お昼を食べに立ち寄ってみた。大学に通っていた息子が「結構おいしい」といっていたので、そのうち入ってみようと気にとめていたお店である。席について、さて注文しようとしたが、何しろ初めてだから、どの料理を選んでよいのかわからない。こういうときは、とりあえず日替わりランチを注文するに限る。その日は、野菜カレーか、チキンカレーかの選択だったので、私は野菜、家内はカレーをオーダーした。同時に選ばなければならない選択肢のうちでは、ライスよりはナンつまりインド風パンと、たくさんある飲み物の中でラッシーすなわちインド風ヨーグルトを選んだ。

 しばし経ってから、持ってきてくれたナンを見て、家内が思わずわあーっと声を上げたほど。大きい、大きい。これがまた、豪快なほど大きい。その形は、アメーバー風に三方に広がっていて、長い方は横長の金属プレートからはみ出すほどだから、ざっと見て横30センチ、縦15センチはあろうかという代物。それに、金属製の丸いお椀にちょっとだけカレーが入っているという構図で、まるでナンが主役である。加えて、グラスに入った白いラッシーがあるだけ。

 さっそく、ナンを手でちぎろうとするが、熱っつっつ・・・やけどしそうなくらいである。しかし、熱いうちでないと、おいしくないのがナンの宿命であるから、ともかくちぎって、それをカレーにひたして食べるということを繰り返す。最初は熱いだけだけれど、そのうちカレーの辛さが勝ってきて、口の中に何ともいえない豊潤なものが広がる感覚になる。英語で思わず、「spicy but hot!」と言いたくなる。ああ、インドで最初に泊まったホテルで朝食を口にしたときに、ちょうどこんな口当たりと鼻への抜け具合だった。様々なカレーのスパイスが、たぶん何十種類も混ぜ合わさって、口の奥と鼻腔に押し寄せてきているみたいだ。そのうち、これが心地よくなってくるのが、どうにも不思議でたまらないところである。

 私が頼んだのは野菜カレーなので、ニンジン、ブロッコリー、じゃがいも、豆などの野菜しか入っていない。それを見て、家内が鶏肉を少し恵んでくれた。こんなに栄養をつけて良いのだろうかという気が一瞬するものの、食べるのに忙しいから、すぐに忘れてしまう。カレーの香りと辛さで鼻や口の中がカーッと熱くなってくるが、そこはよくしたもので、白いヨーグルトのラッシーがそれらを冷ましてくれるという仕掛けである。その組み合わせが何とも心地よい。それやこれやで、家内と話しているうちに、あんなにあったナンもカレーも、たちまち平らげてしまった。これでは、運動不足だけでなく、栄養過多になりかねない。

 いっぱいになったお腹をかかえて、そこから再び歩き出す。途中、菊坂で金魚屋に立ち寄った。ここは、かつては本当の金魚屋だったのであるが、世代が代わった今では、レストランに変わっている。それでも、祖業を忘れまいとするように、店の一角には未だ金魚槽が置かれている。その中には、流金、丹頂などのほか、ピンポン玉のようなパールという中国原産の金魚が入っていた。そのうちのパールは、ビー玉のように小さい当歳魚のようなのに、(私の勘違いでなければ)一匹980円という一人(匹)前の値がついていた。




 それから菊坂をどんどん下っていき、白山通りに至った。春日駅のある交差点の向こうが、目標の文京シビックセンターである。26階建ての25階が展望ラウンジで、そこへ行き付くと、周囲が一望できる。そこから歩いてきた道すじを見下ろせば、東大の緑や上野の森が見えた。その階には、椿山荘がやっているレストランがあって、外を眺めると、真下が東京ドームシティである。

 その遊園地では、ちょうどジェットコースターが、カタカタカタッと音を立てて上昇し、これからまさに下へ降りていこうとしているところだった。これぞ、天国から地獄というところか・・・。先頃のテレビのディスカバリー・チャンネルでは、最新のジェットコースターでは4Gの加速がかかるようだ。空母から離陸する戦闘機のパイロットにかかるのは5〜6Gと記憶しているから、これは相当なものである。パイロットは下肢を圧迫する飛行服を着ているが、それでも発艦直後のパイロットの中には、ごく一瞬ではあるものの、脳が虚血状態となって失神する者もいるらしい。

 この後楽園でも、ジェットコースターの進路を目で追っていくと、大観覧車と直角に交差するあたりで宙返り状態になる区間もあり、そこではかなりのGがかかりそうだ。かつては我々も、富士の裾野やロサンゼルスで、大自然の中を景色を見ながら悠々とジェットコースターに乗ったこともあるが、どうやらそんな牧歌的な時代はとうの昔に終わりを告げたようだ。ますます早く、もっと刺激的にでスリルあふれるものになり、昔とは大違いである。私たちは、やはりこれには近づかない方がよさそうだと思った。


東京ドームシティのジェットコースターと観覧車



(2009年2月7日記)
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