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徒然127.バレンタインの日
季節や素材のイラスト市場さん作


 2月14日はバレンタインの日である。アメリカでもヨーロッパでも、それに東南アジアの英語圏の国でも、諸外国ではどこでも、男性が意中の女性に対してお花を送り、夕食にお誘いするというのが定番である。ところが、どういうわけか日本ではその逆で、女性から男性へ、それも花ではなくてチョコレートを贈ることになっている。しかも相手といっても、本命のほか、無理して上司などにも送る義理チョコなるものすらあったりする。いったい、何なんだこれは! この妙な習慣には、正直いって、まだ違和感が残っていてなかなか慣れない。

 これに比べれば、節分の恵方巻きの方は、他人を巻き込まないという意味では、まだ罪が軽い。まあしかし、結局はその本質というものは、節分の恵方巻きもバレンタインの日と同じようなものである。恵方巻きの方は、太巻きにかぶりつくような、あんな行儀の悪い行事はしなければよいのにと思うが、関西から始まっていつの間にやら関東まで席捲されてしまっている。

 話は戻るが、今年のバレンタインの日は土曜日なので、その前日の金曜日、そろそろ来るなと思っていたら、私のオフィスの女性陣が4人ほど揃ってやってきた。そして、かわいいピンクの箱に入ったチョコレートを恭しく差し出してくれた。それをお礼を言って、有難くいただいたというわけである。例年は、翌月になってからその全員を食事に誘っていたものだが、今年の私は現在ダイエット中で、豪華なものを食べる気が全く失せている。そこで、どうせなら、それに代わるおいしいものをということで、
堂島ロールを食べてもらおうと思い、三越に出かけた。

堂島ロール


 銀座三越の地下に着いて、案内嬢に聞くと、「中央のエレベーターの裏手にありますが、ただいま、長い列が出来ておりまして、お並びいただくことになると思います」とのこと。「本当かなぁ、あんなケーキごとくで・・・」と思いつつ、現場に行ってみると、ああー、これはとびっくり仰天した。売っているお店自体は小さな小さなものなのだが、そこに並んでいる人の列の長さといったら・・・ずーっと続いていって、何とまあ、エレベーターを一周しているではないか! たぶん、100人ではきかないだろう。ああ、驚いたの何のって・・・。同じことを考えている人が、結構いたということか・・・。

 それで、どうしたかというと、その近くの売り場で、そんぞょそこらでは売っていないような、とても豪華な感じのフルーツ・ケーキのロール巻きを見つけた。それを2本、買って帰ったのである。女性陣は、「わぁーっ、かわいい」と言ってくれた。心から、そう言っていただいたものと信じて、今年のバレンタインの日は、無事にやり過ごすことができたのである。



【後日談】 ブランデー入りのチョコ

 以上のような次第で、職場の女性陣からチョコレートの入ったかわいい箱をいただいた。それを家に持ち帰り、テーブルの上で、包装を解いていたときのことである。まず、リボンを外し、立方形のピンクの箱をとると、そこには、4個のチョコレートが上下2段に分かれて入っていた。ハート型のもの、ピーナッツのカケラや赤白黄色の丸いビーズみたいなものがまぶされているものやら、何の変哲もない四角いものやら、いろいろである。いずれも小さくて、一口サイズどころか、三分の一サイズぐらいの代物で、一度に三つくらい、口に入れてもいいくらいである。

 さあ、どれにしようかな・・・と迷った挙句に、ちょっと太めのおいしそうなチョコレートが目にとまった。まさにそれをつまみ上げようとしていたところに、家内が通りかかった。「あら、バレンタインの義理チョコ?」・・・(いうまでもない! 義理チョコ以外にくれる人なんていない!)「そ、そうだよ」・・・「おいしそうね。ひとつちょうだい。」・・・「どうぞ、どうぞ」

 家内は、こともあろうに私が目につけたチョコをあっと言う間に取り上げて、その口に運んだ。目を細めて、おいしそうに食べる。私は内心、「ああー、やられちゃった」と思いつつ、仕方がないので別のチョコをつまんで、自分の口に放り込んだ。ちょっとホロ苦く、まったりした甘さが残った。何の変哲もない味だ。

 それで、家内はこう言ったのである。「あら、これはブランデーが入っていて、おいしいわねぇ」・・・「そ、そう。よかったね」・・・ブランデー入りのチョコなんて、私の小さい頃は、大変なごちそうだった。そういえば、ここしばらく何年も、食べる機会がなかったなぁ・・・。自分で買いにいくなら、まっさきに買おうとするアイテムである。もっとも、和菓子や洋菓子ならともかく、自分でチョコレートを買いに行くのは、ちょっとみっともない気がする。

 しかし、もう一秒早かったら、ブランデーくんは、家内の口にではなく、私の口に入っていたところである。絶好の機会を逃した気分だ。まことに惜しかった。まあ、家内が喜んだからいいか・・・。また、来年のバレンタインの日を期待しよう。



(2009年2月13日記、14日追記)
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