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黒部渓谷鉄道
黒部峡谷鉄道宇奈月駅


 私が若い頃、「黒部の太陽」という三船敏郎と石原裕次郎主演の映画があり、黒部川に壮大なダムを造るという男っぽい姿に、皆が大いに魅かれたものである。公共事業を無駄なものと敵視する昨今の風潮とは正反対に、日本全国津々浦々を我々の手でこうやって開発し、豊かになるのだという熱気に包まれていた時代のエピソードである。昨2008年には、その舞台劇が上演されたと聞くし、今年に入って3月の連休には、2夜にわたってスペシャルドラマが放映され、ああ、懐かしいなと思った次第である。今の日本の若い世代には、こうしたむんむんするような熱気が全く見受けられないのが、残念至極である。

 ところで、富山県の宇奈月温泉から、黒部峡谷鉄道のトロッコ電車が出ており、欅平というところを終点としているが、この電車は、まさにその黒部のダムと発電所を造るために敷設されたものである。実は、欅平から先にも続いていて最終的には地底エレベーターにも乗って黒部ダムまで到達することができるルートの一部なのである。しかし、途中には作家吉村昭が「高熱隧道」で書いたような岩盤温度が高熱で、しかも硫黄を噴出する危険地帯があって、どうしてもそこを通らなければならないために、一般には開放されていない。

 それはともかく、宇奈月駅からこのトロッコ電車に乗って、黒部渓谷をトコトコ走っていくのも、なかなか興趣があるし、途中にはお猿さんがいたり、川中の露天風呂もある。宇奈月の温泉とも相まって、お勧めしたい夏休みの候補地である。

 ところで、宇奈月からではなく富山から、立山の室堂(標高2450メートル地点)までバスで上がって、そこから黒部ダムへ行くルートもあり、立山黒部アルペンルートといわれる。ここも、思わず「絶景かな」といいたくなるほど、なかなか素晴らしい風景である。私が行ったときには、細長い称名の滝、延々と続く弥陀ヶ原と美女平の高山植物帯、室堂から眺める立山の雄山の雄姿(もちろん、あと500mなので、頑張って登頂してもよい)、その周囲の万年雪、黒部湖にかかった大きな虹(実は、観光用に放水していたらしい)などが印象的だった。

 ちなみに、室堂からは、立山連峰赤沢岳の直下を貫きトンネルを通るトローリーバスに乗って、長野県大町市へ出るから、便利である(注)。

 なお、最近「剣岳」という映画が上映されているが、剣岳は、立山の近くの山である。昔、遭難しかけた苦い思い出がある。


黒部峡谷


(注) 立山黒部アルペン・ルート

 最近、立山黒部アルペン・ルートとして売り出している経路は、長野県大町市の扇沢駅と富山県立山町の立山駅とを結ぶもので、その前後のアプローチを含めると、次のようなルートである。

 信濃大町駅→(路線バス40分)→扇沢[1433m]→(トロリーバス16分)→黒部ダム[1470m]→(徒歩15分)→黒部湖[1455m]→(ケーブルカー5分)→黒部平[1828m]→(ロープウェイ7分)→大観峰[2816m]→(トロリーバス10分)→【立山[3015m]】室堂[2450m]→(高原バス50分)→美女平[977m]→(ケーブルカー7分)→立山駅[475m]→(富山地方鉄道60分)→電鉄富山駅




(2009年7月1日記)
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