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一眼レフの実践編(1)不忍池の蓮を撮影
不忍池の弁天堂と蓮


 さて、日曜日になった。この日は都議会選挙の投票日だったことから、朝方に家内とともに、まずは投票に行った。帰ってくると、もう午前10時を回ってしまっている。カメラの練習のためにどこか特別のところへ行きたいと思ったが、きょうは午後一番でテニスに行く予定があるので、それまでわずか2時間しかない。遠出することはできないので、結局、先週と同じく近くの上野公園に行き、不忍池の蓮と朝顔を撮ることにした。そういうわけで被写体は先週とまったく同じで変わり映えしないが、今週は二つのレンズと色々なデジタル・フィルターを試してみよう。それに、マクロ・レンズを買うまでのつなぎとして、クローズアップレンズ(ケンコー MC)も買ったので、それも使ってみたいと思たのである。

 家からのんびり歩いて不忍池に着いた。蓮は南の池にあるが、先週に引き続いて、葉はいっぱいあるのだけれども、蓮の花はほとんど咲いていない。その中でも、わずかにぽつりぽつりと咲いているピンク色の蓮の花を見つけて、先週と同様にポップアートフィルターをかけて撮ってみた。下の写真の左手のものが普通の標準レンズの望遠を使ったもので、ポップアートフィルターで撮ったものが右手のものである。やはり自然の色は左手のものがよく出ている。私などは、こちらが好みだが、ポップアートフィルターも、それなりの魅力が出る。これは、被写体とそれを見る人の好みだろう。たとえば冒頭の弁天堂と蓮の花は、ポップアートフィルターをかけて撮ったものだが、色鮮やかとなり、あたかも出来たばかりの弁天堂を見るかのようである。


不忍池の蓮を標準レンズの望遠(左)とポップアートフィルター(右)で撮ったもの


 ところで、そうやって一眼レフで色々と試していると、私と同じように一眼レフを携えている同年輩の男の人から、突然、声をかけられた。「いやぁ、咲いていませんねぇ。たまに咲いていても、あんなに遠くじゃ、うまく撮れませんなぁ。」そこで私も、「そうなんですよ。この辺りは、まったく駄目です。でも、弁天堂の辺りに行くと、近くで蓮の花を撮れるスポットがありますよ」と教えて差し上げた。その人は、お礼を言って去って行った。するとまた、しばらくして別の一眼レフのカメラマンから声がかかった。「蓮は、ほとんど花が咲いていませんねぇ。芝の方ではたくさん咲いていたからこちらへ回ってきたんですがね」という。私は、「ああ、そうですか。この時期はいつもこうなんですよ。朝が早いと、もっと見られるのですかねぇ」と応じた。

 そこで気付いたのであるが、これまで私はよく、コンパクト・デジカメを構えて写真を撮っていた。しかし、同じようにカメラで写真を撮っていた人から、こんな風に声をかけられたことは、一度もなかった。過去10年間を思い出しても、まったく記憶にない。それがどうだろう、今日は。たった10分もしないうちに、カメラマン仲間(?)からこんなに声がかかるなんて・・・。いやはや、びっくりしてしまった。また新たな友人が出来そうである。もっとも、同年輩のおじさん仲間ばかりではあるが・・・

 撮りながら進んで行って、不忍池の最南端に着いた。先週も書いたが、ここからは、池の一面に広がる蓮の葉また葉さらにまた葉・・・を一望できる。対岸の真ん中に弁天堂が霞むかのごとく見える。初めてこの雄大な眺めを目にした人は、誰しも感動すること請合いである。そうだ、これこそ広角単焦点レンズの出番だと思って、望遠レンズをそれに入れ替えた。ほこりが入らないように、下向きにして替えるとよいらしい。そこで、カメラのシーンのボタンを回したところ、パノラマというのがある。これはひょっとして、こういう場面にはちょうど良いのではないかと思い、それを使うことにした。すると、画面の両端の縦に細長い枠が出てきた。これを重ねて写真を数枚撮ればよいはずだ・・・。


上野公園不忍池の蓮のパノラマ写真。


 そのようにしてバチバチ撮った数枚の写真をパソコン中のソフトで合成するのである。ところが以前に経験したことなのだけれど、パノラマ写真を作るときには、個々の写真で露出がどんどん変わっていくと、合成がうまくいかなくて大変に困る。しかし、このカメラE−P1では、最初の写真で用いた露出がそのまま固定されるという。なかなか、心憎い配慮がされているではないか・・・。というわけで、家に帰ってソフトで合成した写真が上のパノラマ写真である。そうか、広角レンズは、このように使うのかと納得した。もっとも、この三枚の画像を集めた合成写真をよく見ると、継ぎ目のところはまあまあの出来なのであるが、左と真ん中の写真はうまくつながっているものの、右側の写真がちょっと右側に跳ね上がっている感じがする。そこで、説明書の写真をよく見ると、三枚を合成するなら、真ん中の写真を水平に保つとともに、右側に置く写真を少し右に傾け、左側にする写真を反対に左に傾けるべきらしい。これでひとつ、学んだ気がした。徐々にうまくなっていこう。

 さて、ここまでは先週のおさらいのようなものであるが、今度は先週使わなかった広角単焦点レンズで、近接撮影ができないかと考えた。できたら、背景を可能な限りぼかしたい。クローズアップレンズを広角単焦点レンズに取り付けてから、何かよい被写体はないかと探すと、池の近くに先週と同じく朝顔が咲いていた。そこでカメラのボタンをマクロ撮影にして、まず普通通りに撮り、次にポップアートフィルターをかけて撮り、最後にトイフォトといって被写体の周囲を黒くぼかすフィルターで撮ってみたのが、次の3枚の写真である。これを見ると、まず、クローズアップレンズを使ったのに、背景が思いのほかボケていない。やはり、絞り優先モードでF値をなるべく小さくして撮るべきだったか・・・、問題は、標準ズームレンズが沈胴型だから付けられない点だ・・・。それは今後の問題として、トイフォトというフィルターも、色合いが悪い上に、大した効果が見られないので、あまり役に立たないことがわかった。


広角単焦点レンズにクローズアップレンズを取り付けて撮ったもの。虫が写っている。
広角単焦点レンズにクローズアップレンズを取り付け、さらにポップアートフィルターをかけて撮ったもの。
広角単焦点レンズにクローズアップレンズを取り付け、さらにトイフォトフィルターをかけて撮ったもの。


 ところで、ファンタジックフォーカスというものを試してみたが、全般に白くボケて写るので、なんだか気持が悪い。ひょっとすると、女性のポートレートを撮る場合にはよろしいのかもしれないが、蓮の花には、向いていないようである。

不忍池の蓮を普通に(左)、ファンタジックフォーカス・フィルター(右)で撮ったもの


 最後に、池の端で、悠然と甲羅干しをする亀さんを見つけて、それを普通の撮り方とともに、ポップアートフィルターをかけて撮ったものが、次の写真である。特にポップアートフィルターの方を見ると、被写体は相当高齢の亀らしく、甲羅に苔が生えていることがよくわかる。どう見てもまったく目立たないような地味な被写体が、このフィルターのおかげで驚くほど派手な存在になってしまった・・・。これは、ポップアートフィルターが成功した例かもしれない。こういう思わぬ使い方があったのかと改めて認識した。

甲羅干しをする亀(ポップアートフィルターあり)
甲羅干しをする亀(ポップアートフィルターなし)


(2009年7月14日)



関係記事 目次
1.オリンパス・ペンE−P1
2.一眼レフのお勉強シリーズ
(1)ホワイト・バランス
(2)アート・フィルター
(3)露出補正とピント
(4)連写機能とピント
(5)被写界深度とF値
(6)交換レンズの知識
(7)デジタル一眼レフ講座
一眼レフの実践編シリーズ
(1)不忍池の蓮を撮影
(2)奈良の夜景を撮影
(3)水族館の魚を撮影
(4)花のボケ味を撮影
(5)浅草サンバを撮影
(6)谷根千の花を撮影
[後日談]デジタル一眼E−P1その後

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