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一眼レフ使い方講座(基礎編)
ボケを試してみた写真。望遠側で、背景をできるだけ離すようにして、接写したもの。


 オリンパス・デジタル・カレッジ講座を受けることとなっていたその当日の朝、西新宿のオリンパスのセミナー室に行った。暑い日で、建物に入ったとたん、汗が噴き出してきた。この日の受講者の定員は30人、午前は基礎編でこれはデジカメ一眼レフを初めて持つ人が対象、午後は応用編でデジカメ一眼レフのことを少しは知っている人を対象とする。私は全くの初心者だが、別の日にそれぞれを受けるというのも面倒なので、1日で両方を受講した。午後になってみると、午前中に見た顔が何人かいたので、私と同じようなことを考えた人がそれだけいたようだ。

 さて、建物に着いて指定されたセミナー室に行き、30人の受講者の皆さんを見まわすと、職業も性別も年代も、まちまちな人々が来ていた。意外なことに、女性の比率がけっこう高くて、4割近くはあったろうか。女性の場合は、若い人・・・といっても30歳代後半・・・から、どう見ても70歳を超えているとおぼしき人まで、どの年代も満遍なくいるという感じである。それに対して男性の場合は、これはもう定年で退職したという顔をした、いかにも暇そうなお爺さんばかりで、それ以外の若い人はわずかに2〜3人である。私はというと、まだ退職者ではないが、アラカンだから自主的にお爺さん組にカウントした。

 午前中の基礎編は、インストラクターがテレビの天気予報のような若いお姉さんで、ハキハキしていて、聴いていて小気味がよかった。これは、彼女の天職だなぁと思ったほどである。内容は、要するに一眼レフに添付されている取扱い説明書そのものを聴いているのだけれど、説明書の原文には総じて各種ボタンの機能が書かれている程度であるので、それがなぜそうなっているのか、その意味は何か、どういう場面で使うのかなどということまでは、書かれてはいない。この講義では、その意味を一々確認しながら聴けたので、非常に役立った。

 最初は、初心者相手らしく、ストラップの取り付け方である。「そんなこと説明書に書いてある。馬鹿馬鹿しい」とは思ったが、あの通りにやっていない人が30人中数人いたから、私以上に説明書を読まない人がいるのかと驚く。「あの通り」というのは、通し終わった紐をブラブラさせないように、既に通し終わった紐と重なるように三重にするという工夫だが、こうしておくと外れにくいので、「プロ結び」と言っているらしい。なるほどと、納得した。


ストラップの取り付け方


 次は、カメラの構え方である。要するに、ブレないような構え方なのだが、一眼レフだから左手でレンズを支え、右手でボタン操作をしてシャッターを押すというわけである。その際、「両脇は開けないで、できるだけ締めてください。前後に脚を開いた方が安定がよいです。壁に寄り掛かったり、机があれば肘をついたりすると、より安定しまぁす」などと言っていた。しからば、ファインダーがなくて液晶画面のライブビューしかない私のカメラではどうするのかというと、ストラップを首にかけ、両手を伸ばしてカメラを固定すればよいらしい。なるほど、これも納得がいった。

 今のところ、私のカメラE−P1の純正レンズはたった二つで、たまたまそれらにはないのだが、たいていの一眼レフのワイド系レンズには、レンズフード、いわゆる「花形」というものがある。確かに、花のような形である。私は、もともとなぜあんな切りかけがある形なのかと疑問に思っていたが、あの位置が少しでもずれたりすると、写真の隅に影が出来てそれが写り込んでしまうからだという。なるほど、だから写真の四隅の角に対応するように、ああいう切りかけがあるのかと納得がいった。

 それから、これも私のカメラには付いていないが、内蔵ストロボを使う場合には、得てしてストロボ光がレンズの上部に邪魔をされて、写真の下部中央付近に、黒い影ができるという。たとえば、結婚式の集合写真でこれが出たりすると、ちょうどそこは花嫁のウェディング・ドレスが広がるところなので、せっかくの写真が台無しになるというのである。ちなみにこれを、フードの「ケラレ」という。ははぁ・・・、これもわかりやすい説明だ。

 レンズのズーム操作について・・・そもそも一眼レフは、すばやく、しかも微妙な調整ができるようにと、手動でズームを行う・・・とある。たとえば、24mm-70mmのレンズでその数字が大きい方が望遠で、大きく狭くアップで写る。そして、この数字が小さい方が広角で、小さく広くワイドに写る。広角だと画像がゆがむが、望遠だとゆがまないことから、商品を撮るのに適しているという。ちなみに、私のレンズは14-42mmというから、広角側は14mm、望遠側は42mmである。二つのペットボトルを並べて移すと、最も広角側ではペットボトルはたわんで写ったが、最も望遠側では、平行に写ったので、納得した。

 「シーン」ダイヤルで、「ポートレート」を選ぶと、人物を写すときに背景をぼかしやすいらしい。また、「マクロ」というものもあるが、やはりマクロレンズを付けていないと、ちゃんとした性能が発揮できないそうだ。一般に「シーン」のボタンを使って撮影するときは、撮影はすべてカメラ任せとなり、設定の変更はできないとのこと。


「コンパネ」つまりSuper Control Panel


 説明書では、液晶上で表示される「スーパーコンパネ」、略して「コンパネ」とあったが、何のことかと思っていたら、Super Control Panel らしい。わかってみれば、ああ、実に下らない。このコンパネには、一見してすべてのデータが示される。でも、右下の数字が何を意味するのかわからなかったが、残りの撮影可能枚数らしい。ああ、これもわかってしまえば、何だそんなことかという感じである。それから、これらの色々な表示項目について、一々OKボタンを押して変更していくのかと思ったら、そんな面倒なことをする必要は必ずしもない。たとえばこのうち、AFターゲット選択の項目を黒から黄色に反転させていると、それがシングルターゲットの点を表している場合、その点を十字ダイヤルで動かせるではないか。あんな狭い空間で、小さな点が十字ダイヤルでちょこちょこ動く様は、なかなか面白い。

 しかし、もっと有用なことを教えてもらった。これまで、いったん「シーン」ボタンで「風景」を選んで写した後、それを「ポートレート」に変えたいと思ったら、また「シーン」ボタンまで戻ってそれを動かしていたが、そんなことは必要なかった。単にライブコントロールという画面(液晶の右と下に選択肢が出てくる画面)を出して、そのうちのメニューとして、「シーンモード」があるのでそこから選べばよい。これなら、補助ダイヤルを回すだけで選択できる。アートフィルターについても同様にできることがわかった。

 ピントのずれやブレがあるかを確認するのは、これまではパソコンに移し替えて一々見ていたが、このカメラでは、一枚を再生している状態で、コントロールダイヤルを回せば、最大14倍に拡大でき、十字ボタンを使えば場所を移動できることもわかった。

 再生画面は、1枚から始まって、コントロールダイヤルを回していくと、4枚、9枚、16枚、25枚、49枚、100枚の画面となって、もちろんそれにつれて各写真のサム・ネイルは小さくなっていき、最後にカレンダーが出てきて、その日付の写真・・・つまり、その日付に撮られた写真が表示されることがわかった。なるほど、よく考えられていて、かなりインテリジェントなソフトウェアである。デジタル一眼レフの値段が高い理由の一端を垣間見た気がする。

 一眼レフの裏側の鍵のマークは何かと思っていたら、これは撮った写真のうち特定の写真を消去させないためのマークだという。つまり、再生画面で写真を出させ、そのときにこのボタンを押すと、その写真には鍵マークがついて、全コマ消去を試みても、消すことはできないという。これを解除するには、同じ手順を繰り返すと、鍵マークは消えるので、そうなればその写真を消すことができる。ただし、カードの初期化をすると、たとえ鍵マークでプロテクトされていても、消されてしまうので注意とのこと。まあ、それは当たり前だ。

 「オート」で撮ろうとすると、緑色のピント枠が画面の適当なところで勝手に合わせてしまうので、どうも居心地がわるい。そこで私は「P」モード、つまりプログラム・モードで、しかもピントは1点のターゲットに合わせる方式で撮ることが多い。そしてシャッターを半押ししてピントを合わせてから、撮ることが多いが、それでよかったらしい。

 ちなみに、「Ps」と出てくるのは何かと聞いたところ、プログラム・シフトといって、適正露出を保持したまま絞りやシャッター速度を変えられる機能だという。かつて、いったん「P」モードを選んでピントを合わせると、どの要素も一切変更できなかったので、それが不満の種となったことから、Psは、適正露出を維持しながら、F値とシャッター速度をマニュアルで変更できるようにしたものだとのこと。

 「AF」つまりオート・フォーカスモードには、S−AF(シングル)、C−AF(コンティニュアス)、MF(マニュアル)、S−AF+MF(シングル・フォーカスでピント合わせをした後、半押ししたままの状態で細かいところを合わせるために、マニュアル・フォーカス的にリングを回して微調整をする)があり、動くものの連写はC−AFだが、普通はS−AFあるいはS−AF+MFだという。

 ところで、普段の単写のときはもちろん連写のときにも、手ぶれ防止機能を使ってよいのだが、その際にはIS−1、IS−2、IS−3の三つがある。このうち、IS−1は縦にも横にも手ぶれ防止が働く。これに対してIS−2は縦にだけ働くので、横方向の流し撮りに使い、IS−3は横にだけ働くので、縦方向の流し撮りに使うという。ああ、なるほどと納得していたら、インストラクターのおお姉さんは、何とカメラを縦に構えて横方向の流し撮りをしていた。それで、これはどちらなのかと思ったが、答えは、IS−3だという。なるほど、その通りである。面白い。

 ホワイト・バランスも使いようということも学んだ。白熱灯や蛍光灯の下では、ホワイト・バランスを調整しないと、妙に赤やオレンジがかったり、あるいは青っぽい写真が取れてしまう。ところが、写真のテーマによっては、その方が雰囲気のある写真が撮れるというので、これを逆手にとってしまうのも一興という。たとえば、夕焼けをもっと赤くするには日陰マークがよいし、瑞々しい青色を出したかったら電球マークがよいという。

 露出補正は、「+に補正すると明るくなり、−に補正すると暗くなる」という単純な公式に加えて、「白いものをより白く撮るには+に補正し、黒いものをより黒く撮るには−に補正する」と覚えていたが、さらに、こういう考えもあった。露出補正をすると、色の濃さが変わる。「花や女性は、+に補正すると生き生きした感じや健康的な美白感が得られ、城や寺など歴史あるものは、−に補正すると黒くなって歴史を感じさせ、空の青も一層深みが出る」というのもあるそうだ。そのほか、「逆光で人物を撮るときは+に補正すると、顔が明るくなる」とのことだが、そうすると背景が白っぽくなるではないかと思ったのだが、この点は、午後の応用講座で階調補正というのを習ったことから、一挙に解決した。


ISO感度が100の場合と1600の場合との比較。動くものでも1600の方が止まって写る。


 それから、ISO感度についても、私はかなり誤解をしていた。たとえば早く動くものを撮る場合には、シャッター速度をさほど気にしなくとも、単にISO感度を上げるだけで、とりあえず写るようになる。インストラクターの彼女が動かしている手をISO100で撮ると、まったくぼやけてしまうが、ISO1600で撮ったら、これはもうはっきり写っていた。こんなに、違うんだ・・・。これなら、動いているものをはっきり撮りたかったら、何はともあれISO感度を上げるに限ると思いそうだが、あまり上げすぎると、今度はノイズが多いザラザラした画像になるので、程度の問題だという。また別の話となるが、私は夜にはISO感度を上げるべきと覚えていたが、これも対象次第だという。

 たとえば花火を撮る場合、「ISO感度は100でよい。その代わり、シャッターは4〜8秒、モードM、F8〜11、三脚を使う」とのこと。私も早く、こうデータをスラスラいえるように早くなりたいものだ。もっとも、当面は「シーン」「花火」ボタンのお世話になろう。これで撮ってから、その写真のデータを見て、ひとつひとつ覚えていくしかあるまい。

 さて、再びISO感度一般のことに戻るが、.侫薀奪轡綮1討禁止されているとき、誕生日や結婚式のようにキャンドルライトの雰囲気を出すとき、G暗い室内で、赤ちゃんや子供など人物の肌の雰囲気を出すときは、フラッシュを使わずにISO感度をアップすべきとのこと。また、フラッシュ撮影のときにISO感度を上げると、フラッシュの到達距離が伸びて背景がしっかりと写るようになるという。なお、実際にどのISO感度にするか迷うときは、「シーン」の「ぶれ軽減」ボタンを選ぶと、その場の明るさに応じてぶれにくい数値にしてくれるという。ははぁ、いささか裏技的だなぁ。

 インストラクターのお姉さんは、「SDカードは、使う前に初期化をするとよいです。しばらく使って、何回もパソコンに転送したようなときには、トラッシュが残りますので、初期化をお勧めします」という。すると、隣のもう70歳を過ぎたようなお爺さんが、「トラトシュ?」と首をひねる。インストラクターのお姉さんも、「tra・・・ああっ忘れました。すみません」とやっている。ひと昔前の激烈な受験時代を乗り切ってきた私としては、すぐに「trash、つまりクズのこと。アメリカ南部でトレーラー・ハウスに住んでいるような白人は、可哀そうにWhite Trashと呼ばれている」と頭に浮かぶのだが、そんな今や何の役にも立たない雑学をこんな場違いなところで披露しても仕方がないので、黙っているにしかずというわけだ。

 最後に、質疑応答の機会があった。たとえば、私のこのカメラで出来るだけぼかした写真を撮るにはどうしたらよいのかと聞いた。すると、「まず望遠レンズを最も望遠側にします・・・これは、私の場合は42mm(35mm換算で84mm)・・・そして目標にできるだけ近づき、背景を逆にできるだけ遠くする。そうするとボケまぁす」と言って撮ってくれたのが、冒頭の写真で、なるほど・・・確かにボケた。しかし、この方法は、あまり汎用性がない。やはり、標準のマクロ・レンズが出るまで待たなければ・・・と思っていたところ、インストラクターのお姉さんが面白いことを言った。「被写体とカメラの間に、虫眼鏡を入れて撮るという方法もありますよ。意外なほど、良く撮れます。」・・・ははっ、それは愉快だ。機会があったら、試してみよう。

 ということで、午前の部は、若干、時間オーバーして無事に終了した。勉強になったと思う。パソコンでもゴルフでも、この種の一見近寄り難いような趣味的なものは、手近に良く知っている人がいて、何かわからないことがあれば、気軽にいつでも聞けるという状況であれば、それは幸運というもの。初心者講座などをわざわざ受講しに来ることもない。しかし、そうでもない限り、こうして聴きに来る方が一番の近道ではないかと思っている。

 
(2009年8月9日記)



関係記事 目次
1.オリンパス・ペンE−P1
2.一眼レフのお勉強シリーズ
(1)ホワイト・バランス
(2)アート・フィルター
(3)露出補正とピント
(4)連写機能とピント
(5)被写界深度とF値
(6)交換レンズの知識
(7)デジタル一眼レフ講座
一眼レフの実践編シリーズ
(1)不忍池の蓮を撮影
(2)奈良の夜景を撮影
(3)水族館の魚を撮影
(4)花のボケ味を撮影
(5)浅草サンバを撮影
(6)谷根千の花を撮影
[後日談]デジタル一眼E−P1その後

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