<< 徒然150.月餅的故事 | main | 一眼レフの実践編(4)花のボケ味を撮影 >>
一眼レフの実践編(3)水族館の魚を撮影
絞り値:F5.6、露出時間:1/80秒、ISO 感度:800、露出補正:+0.3、焦点距離:37mm

絞り値:F4.1、露出時間:1/80秒、ISO 感度:800、露出補正:+0.3、焦点距離:21mm


 真夏の暑い日が続くが、土曜日に家にいても仕方がない。一眼レフの練習のためにどこかへ出かけようと思った。この暑い中で涼しく過ごせるところといえば、水族館しかない。それも家からほとんど外へ出ないで地下を通って行けるところといえば、池袋のサンシャイン国際水族館である。昼食後、蝉がジージーと鳴き、それに混じって選挙カーが大声を張り上げて通り過ぎる中、地下鉄に潜って池袋に向かった。

 車中で一眼レフを使った魚の撮り方について、頭の中でその方針を考えた。何しろ魚だからパパッと早く動くので、ISO感度を上げることは必須だろう。どれくらいが適当かといえば、よくわからないが、最低800、それでダメなら1600でどうか(この点、後から雑誌の記事を見たところ、専門家は1600から3200で美しく撮っていた)。動きの速いものを撮るので、シャッター速度優先の「S」を選ぶべきだが、どれくらいがよいのかなぁ・・・まあ、これはやってみて、画面がちょうど見られる程度になるように試行錯誤を繰り返すとしよう。それから、オートとアートフィルターも試そう。加えて、連写モードにしてみるか、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるという精神である。

 夏休みの最中だから、水族館は小さな子供連れの親子でいっぱいである。あまり人がたくさん集まっているところで撮ったりすると迷惑となる。そこで、比較的空いている水槽のところへ行くと、それは川魚を集めている水槽だった。ああ、いたいた、アロワナではないか・・・普通はシルバー色をよく見かけるが、これはオレンジ色をしている。アジア・アロワナという種らしい。昔、私が東南アジアに駐在していたときに、私の友達が河で釣りをしていて、たまたまこれを釣り上げたという話を聞いたことがあるから、どこそこ親近感がある。しかし今や、ワシントン条約で輸出入が規制されている貴重な魚だ。アジアだけでなく、シルバー・アロワナはアマゾン河など南米にも分布している。この魚、そのストーンとした直線的な姿態からして、かなり鈍重な魚ではないかと思われている。いや実はそうではなくて、たとえば河中から木の枝にいる昆虫を見つけたりすると、機敏に空中高く飛び上がって、これを食べてしまうのである。以前そういう場面をテレビで見て、びっくりしたことがある。人は・・・いや魚は、案外見かけによらないものである。これはいわゆる古代魚の一種らしいが、何億年も生き残ってきたからには、それなりの特技があったのだろう。

 さて、このアロワナを撮るにはと・・・、ゆっくりなようで、結構早く動くなぁ・・・とりあえずISO感度を640にして、シャッター速度を1/200秒で試してみるか。パチリと撮ったが、あ、ダメだ。暗すぎる。そこで、シャッター速度を1/15秒に変えて再び試すと、何かボケてしまったなぁ。どちらも、こんな色ではないので、それも不満だ・・・。ISO感度を800にしてシャッター速度をを1/25秒としたら、少なくとも色については、まあ、こんなものかという写真が撮れた。しかし、家に帰ってパソコンで確認すると、今度はピントがボケていた。いや、やっぱりシャッター速度が遅すぎたのだろう。雑誌によると、1/80秒でも「遅めのシャッター速度」と書いてあった。かくして水族館での最初の写真としては、失敗に終わった。正解はおそらく、シャッター速度が1/150、ISO感度が3200くらいだろう。


アジア・アロワナを3種類のシャッター速度で撮る。


 そして、次の水槽は、アオリイカである。まあこれは、水槽内は明るいし、被写体も大人しく同じところにいて、ヒレを震わせているだけだから、簡単しごくである。気にするとすれば、構図だけで、それを決めてからパチリと撮って、はいおしまいである。なかなか、かわいい目をしているではないか。データは、絞り値:F6.3、シャッター速度:1/125秒、ISO感度:800、露出補正:+0.3というもの。

アオリイカ、絞り値:F6.3、シャッター速度:1/125秒、ISO感度:800、露出補正:+0.3


 次は、氷の妖精、クリオネである。見ての通り氷の海を優雅に泳ぐか弱き存在のようだが、実は獲物のミジンウキマイマイに出会うと、その頭がパカッと開いて6本の足に分かれ、それで襲うそうな・・・。実は獰猛な捕食者というわけだ。これまた、見かけによらないという典型の生物である。水槽の中は真っ暗で、クリオネにはかすかに赤い光が当てられているのみだ。これは困るなぁ、いったいどうやって撮るのだろう。ISO感度を上げればいいのはよいとして、この暗さでは、シャッター速度を早くすると写らないし、遅くするとクリオネの動きが早いのでボケる。だいたい、ピントもなかなか合わせられない。露出補正で対応すべきなのかなぁ・・・よくわからない。えいやっとやってみたら、それらしきものがボケて写っていた。データは、絞り値:F5.6、シャッター速度:1/10秒、ISO感度:1600、露出補正:+0.3というもの。これはダメだと思ってISO感度を倍に引き上げてやってみたところ、少しは外見がくっきりとしてきたが、今度は黒いところのノイズがすごい。データは、絞り値:F5.5、シャッター速度:1/50秒、露出補正:+0.3、ISO感度:3200である。いったい、どうやって撮るのだろうか?

氷の妖精、クリオネ。絞り値:F5.5、シャッター速度:1/50秒、露出補正:+0.3、ISO感度:3200


 さらに進むと、ミズクラゲが乱舞(?)している水槽に出た。ミズクラゲに光が当たっているので、これは楽勝だ。ISO感度を1600に上げて、プログラムモードで撮る。まあ、それなりに写っている。何か、クラゲの魔力がその当たりに漂っているようなあやしい雰囲気の写真である。データは、絞り値:F3.5、シャッター速度:1/13秒、ISO感度:1600、露出補正:+0.3である。

ミズクラゲ、絞り値:F3.5、シャッター速度:1/13秒、ISO感度:1600、露出補正:+0.3


 それが終わると、毒カエルのコーナーを経て、熱帯の海に出る。実は、私は以前からここが大好きで、何時間いても暇がつぶせるくらいだ。写真だけでなく、そのビデオを撮ったりしていて、今でもそれをときどき見てリラックスしている。そうそう、ここがあったと気がついて、写真を撮ろうと覗き込んだ。三つの水槽があって、沖縄の海、カリブ海、グレートバリアルーフである。やはり何といっても、最後のグレートバリアルーフがすばらしい。見たことがないような色と形の珊瑚、熱帯魚も、黄、ピンク、青、紫と色とりどりである。たまに地味な魚がいると思ったら、箱フグだったりして、それらがあちこち様々な方向に乱舞している。いや、これはすごい。何時間いても、見飽きない。これは年代を問わないようで、2歳くらいの男の子がお母さんとやって来て、「ウアーーァ! アレー・アレー!」と大声で叫び、指をさす。よほど感動したようだ。良い風景だ。私も、小さかったら、あんなことをやっていたに違いない。

熱帯の海グレートバリアルーフ、絞り値:F4.5、シャッター速度:1/100秒、ISO感度:1600、露出補正:+0.3


 では、これを撮ろうとしたのだが、これがまた、難しそうだ。それでも熱帯の海だから、水槽自体は比較的明るいので全体を撮るのは楽である。ISO感度を上げて魚の速さについていくだけでよい。絞り値:F4.5、シャッター速度:1/100秒、ISO感度:1600、露出補正:+0.3で撮ったものが、この写真である。実はこれは連写で撮った何枚かの一枚である。というのは、これだけの数の魚がいると、それぞれがあちこち勝手な方向を向くものだから、場合によっては全部が縦方向を向いてしまって、写真にならなくなる。やはり熱帯魚は、そのカラフルな色と様々な形を見せてくれないと、話にならない。そのためには、横向きでなければならない。そこで、何枚か撮らないと、絵にはならないというわけだ。そんな風に、もうひとつ撮ってみると、このような写真となった。ISOを1600から800に落としてみたが、あまり違いはなかった。データは、絞り値:F3.5、シャッター速度:1/60秒、ISO感度:800、露出補正:+0.3である。

熱帯の海グレートバリアルーフ、絞り値F3.5、シャッター速度:1/60秒、ISO感度:800、露出補正:+0.3

ピントが外れた失敗写真


 さて次に、ひとつひとつの魚を撮ろうとしたのだけれども、「あっ! 狙った魚が来た!」と思ってシャッターを半押ししてピントを合わせていると、もう魚は通り過ぎてしまって、後ろ姿しか撮れない。あわててピントが外れたりすると、上の写真のような失敗になる。それを何とかしようと魚の動きに合わせて・・・つまり動きを先回りして予測し・・・シャッターを切った。その写真が次のものだが、これでもまだ、シャッターを切るのが遅れたが、そんなに悪くはない。調子に乗って、もうひとつ。この魚も、早く泳ぎ回っていたから撮るのはなかなか難しかった。いずれもデータは、絞り値:F3.5、シャッター速度:1/60秒、ISO感度:800、露出補正:+0.3である。

熱帯の海グレートバリアルーフ、絞り値:F3.5、シャッター速度:1/60秒、ISO感度:800、露出補正:+0.3

熱帯の海グレートバリアルーフ、絞り値:F3.5、シャッター速度:1/60秒、ISO感度:800、露出補正:+0.3


 それから、魚の動きにカメラを合わせるのが次第に慣れてきて、それまでは魚の後ろ姿を撮るばかりだったのに、はじめて先回りをして撮ることができたものが、次の写真である。データは、絞り値:F4.7、シャッター速度:1/80秒、ISO感度:800、露出補正:+0.3である。

熱帯の海グレートバリアルーフ、絞り値:F4.7、シャッター速度:1/80秒、ISO感度:800、露出補正:+0.3

熱帯の海グレートバリアルーフ、絞り値:F4.7、シャッター速度:1/80秒、ISO感度:800、露出補正:+0.3

熱帯の海グレートバリアルーフ、絞り値:F4.7、シャッター速度:1/80秒、ISO感度:800、露出補正:+0.3


 最後に、カリブ海の水槽の方を向いて撮ってみたが、グレートバリアルーフで撮り慣れていたので、魚の動きが単純なこちらの方は、撮るのがはるかに楽だった。いずれもデータは、絞り値:F3.7、シャッター速度:1/80秒、ISO感度:800、露出補正:+0.3である。

熱帯の海カリブ海、絞り値:F3.7、シャッター速度:1/80秒、ISO感度:800、露出補正:+0.3

熱帯の海カリブ海、絞り値:F3.7、シャッター速度:1/80秒、ISO感度:800、露出補正:+0.3


(参 考) 熱帯の海グレートバリアリーフで、アートフィルターのポップアートを試してみたが、ただでさえ目立つ極彩色の世界なので、それをさらに恐ろしく派手な色彩にしてしまっただけとなり、全くダメだった。

(2009年8月23日記)



関係記事 目次
1.オリンパス・ペンE−P1
2.一眼レフのお勉強シリーズ
(1)ホワイト・バランス
(2)アート・フィルター
(3)露出補正とピント
(4)連写機能とピント
(5)被写界深度とF値
(6)交換レンズの知識
(7)デジタル一眼レフ講座
一眼レフの実践編シリーズ
(1)不忍池の蓮を撮影
(2)奈良の夜景を撮影
(3)水族館の魚を撮影
(4)花のボケ味を撮影
(5)浅草サンバを撮影
(6)谷根千の花を撮影
[後日談]デジタル一眼E−P1その後

カテゴリ:エッセイ | 10:55 | - | - | - |