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第4回新司法試験の合格発表


 9月10日に、祝田橋の旧家裁庁舎跡で発表された第4回新司法試験の結果については、関係者はいずれも皆、首を傾げたのではないかと思う。というのは、最終合格者数が2043人と、前年の2065人とと比べても、数が減少していたからである。これでは、2010年に3000人程度という目標を達成することは、まずもって非常に困難となった。

 その背景としては、法科大学院が乱立し、中にはほとんど合格者がないというところもあったり、あるいは新司法試験の合格者の中には司法修習を終えることができないなどの、質の低下が顕著になってきたことであろう。それにまた、弁護士の需要が当初想定されていたほど伸びていないことが、その背景にあるものと思われる。かつて、司法修習を終えた新米弁護士は、どこかの法律事務所に居候を決め込み、しかる後に独立を目指すといういわゆる「イソ弁」が普通であった。ところが司法制度改革で弁護士の数が激増した結果、単に法律事務所の軒先を借りるだけの「ノキ弁」、さらにはどこの事務所にも属することができないので仕方なく自宅を使うという「タク弁」まで登場している由である。

 そのような厳しい情勢の下で、私が教えた法科大学院生の皆さんが気になるところである。一部からは喜びの声を寄せていただいているが、何しろ合格率が前年の33%から、3割の線を切って、27.64%となってしまったから、まあ本当に厳しいの一言に尽きる。これでは、私に縁のある学生さんたちのすべてから喜びの声を聞くことは、とても無理というものである。

 気になるのは、既修者と未修者との合格率の違いである。今年、前者は38.7%であるのに対して、後者は18.9%と、半分となった。未修者の4〜5人にひとりしか合格しないというのでは、リスクが大きすぎて、法科大学院に入学しようという他分野の人たちがいないのではないかと心配になる。このままでは、新司法試験は、いつか来た道をまた戻っていくようなことになりかねないのではなかろうか。


(2009年9月10日記)




  第4回新司法試験の最終結果

  最終合格者数:2043人(前年は、2065人)

 【発 表 日】 平成21年9月10日発表
 【出願者数】 9734人 (前年は、7842人)
 【受験者数】 7392人 (前年は、6241人)
 【短答合格】 5055人 (前年は、4654人)
 【合 格 率】 27.64%(前年は、33%)


 【総合得点】
  最高点:1197.94点、最低点:376.83点、平均点:767.04点
  (前年はそれぞれ、1407.84点、564.40点、930.64点)
 【合格者内訳】
  最高年齢:55歳、最低年齢:24歳、平均年齢:28.98歳
  (前年はそれぞれ、59歳、24歳、29.20歳)
  男性:1503人(73.57%)、女性540人(26.43%)
  (前年はそれぞれ、1501人(72.69%)、女性564人(27.31%)
  受験回数1回目:1275人、2回目:597人、3回目:171人
  (前年はそれぞれ、1312人、633人、120人)

【既修未修】
  既修者法学部   1126人
  既修者非法学部   140人
  未修者法学部    491人
  未修者非法学部   286人
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