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徒然157.民主党新政権の誕生



 民主党マニフェスト


 民主党は、先月末の衆議院選挙で歴史的な大勝利を収め、自由民主党・公明党からの政権交代を実現した。明日9月16日に開催される特別会で、鳩山由紀夫首相が誕生することとなっている。それに先立ち、今夕には、鳩山内閣の閣僚名簿が発表されるようである。新内閣は、政治主導の政策決定を求めているため、明治以来123年間にわたって続けられてきた事務次官会議が昨日をもって終了するなど、着々と政権交代の準備が続いているが、その中で、新政権の構造について、どのような青写真が描かれているのか、国民には必ずしも明らかではない。そこで、新内閣発足直前の本日15日の新聞の朝刊記事に従って、これを読み解いてみた。

 第一の視点は、今回の政権交代の立役者である小沢一郎民主党新幹事長と、鳩山首相をはじめとする民主党の重鎮との関係が、今後の政権運営の大きな鍵となる。「新人の大量当選により、衆議院選前は約50人とされていた小沢氏を支持するグループは、一気に150人以上に膨れ上がると見られる、かつて・・・小沢氏も所属した田中派でさえ、最大時で約140人だった」(読売)、「民主党は、鳩山由紀夫代表が閣僚人事、小沢氏が党執行部・国会ポストの人生という『すみわけ』を強調するが、閣僚人事も小沢氏の意向が強く働いているのが実情のようだ。『内閣一元化』がうたい文句の政権運営への影響も避けられそうにない」(日経)。

 第二の視点は、今回はじめて設置される国家戦略局の、政権内部での位置付けである。「国家戦略局は、民主党のマニュフェストで『新時代の国家ビジョンを創り、政治主導で予算の骨格を策定する』と規定されている。約20人のメンバーで構成される見通しだが、『国家ビジョン』に外交問題を含むのか、予算の編成作業に関与するのか−など権限がはっきりしない。裏を返せば、国家戦略局の位置づけ次第では、(担当相となる)菅氏が絶大な権限を手にする可能性があることを意味する。鳩山氏は、14日、国家戦略局担当相の役割について『国家の予算の骨格を検討し、特命で行うことがあれば新しい仕事の分担がなされる』と説明した。経済財政担当相と官房長官とを兼務し、政府・与党の政策調整を一手に担う重要ポストだ。加えて副総理兼務によって首相官邸5階に執務室を持ち、『影の総理』として振る舞うことも可能だ」(産経)。つまりこの視点は、官邸の主導権を国家戦略局とその担当相が持つのか、それとも官房長官、外相、財務相など各閣僚が自らの領分を引き続き維持するのかということである。

 第三の視点は、民主党と連立を組む社会党と国民新党との関係である。連立の協議に、若干は手間取ったとはいえ、9月9日、ともかく協議はまとまり、社会党と国民新党の党首クラスが入閣することとなった。しかし、協議の過程で、とりわけ安全保障政策の考え方が激しく議論されたそうである。その結果まとまった「9.自立した外交で、世界に貢献」の項目の2番目は、「主体的な外交戦略を構築し、緊密で対等な日米同盟をつくる。日米協力の推進によって未来志向の関係を築くことで、より強固な相互の信頼を醸成しつつ、沖縄県民の負担軽減の観点から、日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む」とある。そこで、政権発足後直ちに、いつ、どのような形で、この手形を落とすのかという話になるだろう。

 第四の視点は、政策決定とその遂行の巧拙である。民主党内は、自民党政権下で政府の追及で名を挙げたベテラン議員、安全保障など特定の分野が得意な議員など、多士済々というところである。しかし、他人を追及したりコメントしたりすることと、自らがその政策の衝に当たることとはまったく別の問題であることから、政権の中枢を占めるとなったこれからは、今度は自らの実務能力が試されることになる。これがうまく出来ないと、調整不足や特定グループの圧力ないし横やりで、朝令暮改といった有り様になりかねない。まあ、政治家というものは、こうした経験を積み重ねながら育っていくものである。

 第五の視点は、小沢新幹事長の西松建設献金問題、鳩山新首相の政治資金報告書問題、その他今後マスコミが発掘するであろう新閣僚にまつわる身辺に関する諸々の問題である。政治家として政権内部に長くいたのであれば、自らの身辺においてそれなりの身構えが出来ているはずであるが、今回は突然の政権交代でもあり、そうした普段の身構えが十分でなかったとすると、マスコミの格好の標的となるおそれが強い。今回当選した新人議員の中には、3月に破産宣告を受けていた人がいたそうであるが、そうした身体検査がしっかりと行われているかどうかが、当面の課題であろう。



(2009年9月16日記)



2009年9月16日に発足した鳩山内閣のメンバー


 【鳩山新内閣の閣僚名簿】


 内閣総理大臣
            鳩山 由紀夫
       
 内閣府特命担当大臣(副総理・国家戦略担当)
            菅 直人

 総務大臣
            原口 一博

 法務大臣
            千葉 景子

 外務大臣
            岡田 克也

 財務大臣
            藤井 裕久

 文部科学大臣
            川端 達夫

 厚生労働大臣
            長妻 昭

 農林水産大臣
            赤松 広隆

 経済産業大臣
            直嶋 正行

 国土交通大臣
            前原 誠司

 環境大臣
            小沢 鋭仁

 防衛大臣
            北澤 俊美

 内閣官房長官
            平野 博文

 国家公安委員会委員長
            中井 洽

 内閣府特命担当大臣(郵政改革担当)
            亀井 静香

 内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全、少子化対策、男女共同参画担当)
            福島 瑞穂
 
 内閣府特命担当大臣(行政刷新、公務員制度改革担当)
            仙谷 由人




2009年9月16日夜の鳩山由紀夫首相の就任記者会見


 鳩山由紀夫首相の新内閣発足時の記者会見では、「衆議院、参議院両院におきまして、総理に選出をいただきましたその瞬間に、日本の歴史が変わるという身震いするような感激と、更に一方では大変重い責任を負った、この国を本当の意味での国民主権の世の中に変えていかなければならない、そのための先頭を切って仕事をさせていただく、その強い責任も併せて感じたところです。
 国民の皆様方のさまざまな思い、政治を変える、何のために変えてもらいたいのか、その思いを受け止めて、私たちが大きな船出をしっかりとしていきたい、そのように感じているところでございます。
 そのためには、国民の皆さんも政権の中に参画をしていただきたい。私たちが皆様方のお気持ちをいかにしっかりと政策の中に打ち出していけるか否かは、国民の皆さんの参加次第にかかっているとも申し上げていいと思います。
 国民の皆さん方に必ず国家的な大きな役割を、指針というものを見出しながら、国民の期待に応えてまいりたい。そのように感じているところでございます。」と抱負が述べられた。
 (出典)官邸ホームページ


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 政・官 の在り方



(2009年9月16日記)



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