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徒然164.リトルの公式

 今日の日経新聞に、リトルの公式(Little's formula)というものが載っていた。ジョン・リトル教授が定式化したものである。よく、お店やアトラクション、あるいはATMなどで行列ができる風景を見かけるが、その場合の待ち時間を算出する公式だそうだ。簡単にいうと、列の長さが変わらない・・・つまり、用が済んだ人が列を離れても、それと同じ数の人が新たにその列に並んでくる・・・という前提の下で、

 (待ち時間[分])=(行列の総人数)/(行列に加わる人数[1分当たり])

という公式が成り立つという。たとえば常時20人が待っていて、それに1分間当たり4人が加わると、待ち時間は5分と算出される。これで実際の例につき待ち時間を計算して比較したところ、

 (店のいう時間)(実際の時間)(リトルの公式

 .妊ズニーランドのアトラクション
 ( 80分 ) ( 44分 ) ( 50分 )誤差6分

◆‥豕タワー特別展望台
 ( 40〜50分 ) ( 21分 ) ( 22分 )誤差1分

 人気ラーメン店
 ( 1時間弱 )  ( 37分 ) ( 39分 )誤差2分

ぁゞ箙圍腺圍
 ( な し )  (  4分 ) (  4分 )誤差なし

 店側のいう待ち時間なるものは、客にこれを短く言って叱られるより、多少は長く言っておいて思わず早く済んだと喜ばれる方がよいから、かなりサバを読んだ時間であることは間違いない。しかしそれにしても、サバを読みすぎといった気がしないでもないが、そういうとき、このリトルの公式があれば、行列を待つ人数やこれに加わる人数を数えているだけでも暇がつぶせる上、正確な待ち時間がわかって精神衛生上もよろしいから、一石二鳥である。

 それはともかく、リトルの公式は、実際の待ち時間をほぼ正確に言い当てているものだと感心した。今度、ATMなどで機会があったら、自分で実際に試してみよう。なお、ORWikiによると、リトルの公式について、次のような解説がある。

 待ち行列における関係式の中で、最も基本的なもののひとつで、任意の待ち行列システム、あるいは待ち行列システムの任意の部分システムに対して、平衡状態における平均システム内客数と平衡状態における平均系内滞在時間とを関係づけるものである。λをシステムへの到着率、を平衡状態における平均システム内客数(時間平均)、を平衡状態における平均システム内滞在時間(客平均)としたとき、のどちらか一方が存在するならば、他方も存在し、

  =λ ・・・(1)

となる。この等式をリトルの公式という。

 この公式はシステムが平衡状態にあることを除けば、客の到着、 サービス時間、サーバ数、サービス規律等に特に何の仮定もおいていない.。システムが単一ノードである必要もない。 たとえばシステムとして単一窓口待ち行列の窓口部分だけを考えれば、を窓口が塞がっている確率として、

  =λ(S)=

が得られる。ここで(S)は平均サービス時間である。

 また、システムとして窓口を除いた待ち行列の部分を考えれば、(1) は平均待ち客数qと平均待ち時間Wqに対して

  q=λq ・・・(2)

となる。通常、q+(S)であり、システムへの到着率λは既知であるので、(1) と (2) から、q、qの4つの特性量のうちひとつがわかれば、他のものはこれらの関係式から求められる。これは待ち行列モデルを解析するときに大変便利である。リトルの公式は待ち行列解析のいろいろな場面で頻繁に出現し、たとえば閉ジャクソンネットワークを解析するときに用いられる平均値解析法は、このリトルの公式を様々な形で利用することによって導かれる。



(2009年11月14日記)

(注) 原文で数式に使われている環境依存型の英文字やギリシャ文字は、テキスト文書で読めるようにほぼ同等のアルファベットに変換してある。

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