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徒然177.愛子様の問題に思う

丸ノ内のチューリップ祭り


 3月5日に、宮内庁の野村一成東宮大夫(69)が定例の記者会見で、皇太子ご一家の一粒種の愛子内親王(学習院初等科2年)が不登校に陥っていることを発表した。あまりにも唐突なことであったし、その直後に学習院側が行った記者会見の内容と必ずしも平仄が合っているわけでもなかったことから、いったいどうしたことかと世間の耳目を引くことになった。

 もとより皇室の、しかも皇族の私生活にかかわる微妙な問題であることから、普通なら外部からはなかなか窺い知れない事柄である。ところが今回の事件は、皇室の竹のカーテンの外にある学習院を舞台にしているので、次から次へと関係者の発言が報道されるに至り、外部の者でも全体像が次第に明らかになってきた。なかでも、3月中旬に週刊朝日(2010年03月19日号)に掲載された波多野敬雄学習院院長(78)の話は、もしこれが正確であるのなら、問題の本質が何だったのかがわかるというものである。それによると、

 「愛子様は、2月の最後の週は微熱が続き、お休みされており、翌週も3月2日の火曜日以外の4日間はやはりお休みとなった。その火曜日は、4時限目の国語のみ授業を受け、給食の前に下校したのだが、愛子様が学校から戻ってきて、やはり『怖い』と口にし、その次の日から行かなくなった。野村東宮大夫や学習院側の説明によると、愛子様が昇降口の靴箱に差し掛かった際に、隣の組の男子生徒が教室から飛び出してきてすれ違い、以前の『暴力行為』を思い出したので、学校に行けない状態である」という。その、以前の『暴力行為』とは、首を絞められたとか、足で蹴られて引き倒されたとか、いろいろな説があって特定できないが、いずれにせよ愛子内親王にはかなりのトラウマとなっている事件だったようだ。

 ご本人は、「学校に乱暴な子がいて、怖いからいやだ」とおっしゃるのである。 そういえば、昨年6月に学習院初等科で、隣の組で男の子が女の子の顔を鉛筆で突いて、その芯が女の子の顔に入ってしまったという暴力事件が起こったことが週刊誌に報じられていた。ところが、今回の不登校は、この件とは関係がないとされている。こうした引き続く事件の発生を前にして、学習院としても対策を講じたというが、それが報じられている通りだとすると、これが誠に生ぬるいというか、見方によっては無責任ではないかとも感じられる対応なのである。

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 週刊朝日の学習院院長の話に戻ると、「騒ぐ児童がいるというので昨年、学習院常務理事の東園基政が初等科を見に行きました。東園から受けた報告によれば、確かに暴れん坊が2、3人おり、それに追従して騒ぐ子どもが数人います。しかし、その男の子らが愛子様や他の子どもをターゲットにしていないことは確認済みです」という。そして院長は、「わんぱく坊主を見て怖がっちゃうような環境で育てられているわけですから、それは学校が直すというよりも、ご家庭で直していただかないといけない。それに合わせて、愛子さまが登校できるようにこちらも協力していきます」と締めくくっている。

 要するに、それくらいのことで怖がるな、わんぱく坊主ならどこにでもいるというのである。しかし、その辺の公立小学校の校長が同じことを言うのならわかるけれども、私などは、あの学習院の責任者がそんなことを言うのかと、二つの意味で驚いてしまった。そのひとつは、学習院の初中等科といえば、成績の優劣はともかくとして、おおむね性格的におっとりとして優雅な振る舞いをする子供ばかりを集めていると思っていたのだが、本当のところは違っていて、中には相当乱暴な子がいないわけではない・・・現に、初等科では同じ学年で少なくとも二名いた・・・という事実である。ふたつには、もともと学習院は、皇族の教育のために設けられた学校だったはずなのに、肝心の皇統直系のお子様が通えなくなるほどの困った状態に陥っているにもかかわらず、すべて本人が悪いと聞こえるような言い方をして、学校自らがその存在意義をまったく理解していないのではないかと思われる節があることである。

 最近、学級崩壊といって、子供が授業中であることや先生のことをはなから無視をして、勝手に歩きまわったり友達どうしでおしゃべりしたりするということが日常茶飯事となっていると聞く。だから、東京在住の親の中には、そういう事態になっている小学校へ自分の子供を通わす羽目になることを避けるため、慶応、青山、学習院のご三家といわれる私立小学校に入学することを目指して「お受験」に励んでいる者も数多くいるのである。なぜなら、公立と違って、私立の場合は学校側がしっかり監督をしてくれていて、子供がそういうことにならないようによく面倒を見てくれるし、万が一の場合は親を呼んで指導もするし、いよいよとなれば問題児を退学させるという最終手段もとり得ないこともないと信じているからである。ところが今回の事件で、少なくとも学習院については、そんな親の期待はとんでもない幻想であることが分かってしまった。

 話によると、去年だったか、隣のクラスが暴力的になってきて担任の先生が抑えきれないというので、特別にもうひとりの先生を配置したところ、それが納まってきたから、普通の体制に戻したというのである。しかし、今回の事件では事件化した後に初めて、おっとり刀で常務理事を初等科へ見に行かせたと言っていることからすると、学校の上層部はそもそも宮様のクラスの状況やその日常のご様子を何も把握していなかったのではないかと思わざるを得ない。最も大事な宮様を預かっているというのに、学校側がその日頃のご様子や周辺の状況を知らないとは、そんなことで済まされるのだろうか。

 その後8日になって、愛子様は母親の皇太子妃の付添いで、4時限目の国語の授業だけに出席されたそうである。本件は、天皇、皇后両陛下のご宸襟をも悩ましているようで、両陛下は学校や他の児童への影響をも懸念されて「いずれかが犠牲になる形で解決がはかられることのないように」とのご意向を示されているそうである。まあ、その「乱暴な」とされた子についても穏便にというご配慮であるが、どのような方法をとるにせよ、学校の問題を解決するのは学校にしかできない事柄なのであるから、学習院としては、今回のことをすべて愛子様のせいにしてしまうような責任逃れはせず、その設立の趣旨に沿って、毅然たる態度で全力を挙げて早期に解決すべきであろう。

 なお、秋篠宮家の悠仁親王は、幼稚園入園のご年齢になったが、学習院幼稚園にはご入学されず、お茶の水女子大学附属幼稚園にご入学されると報じられた。昨年12月3日のことである。その際、学習院幼稚園には3年保育がないからという理由がわざわざ発表された。ところがこの点につき、学習院を選ばなかったのはなぜなのか、上記のこととも考えあわせて、いろいろな揣摩臆測を呼んでいるようである。


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(2010年3月20日記)



【チューリップの写真】

 『 Tokyo Marunouchi Tulip Fair 2010 』として、丸の内の丸ビルや新丸ビルの前に置かれた約8万本のチューリップの写真である。


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