<< 奈良京都の桜の旅 〜 5.平安神宮の枝垂れ桜 | main | 憲政記念館の桜 >>
ツェッペリン型の飛行船

上野の上空を行く飛行船


 ついこの間まで、外に出ると空気が体を突き刺すような気がする、寒い寒い冬だった。それがいつの間にか過ぎて春となり、生温かい空気が体にまとわりつくような、何とも心地よい季節となった。そうした休日のある日、近くの不忍池の桜を見ようと、家内とともに、不忍通りをのんびりと歩いて行った。池の畔に着き、ふと何気なく空を見上げた。すると、青い空に白くぽっかりと、大きな飛行船が浮いているではないか・・・その胴体には、アニメーションの「コナン」という文字や絵がはっきりと見える。「あれあれ、これは珍しいね。映画の宣伝でもしているのかなぁ」と話しつつ、家に戻ってテレビを付けたところ、何とまあ、これは「日本飛行船」という会社のもので、翌日の4月11日からの東京における本格運行に備えて、今日は関係者にお披露目をするために、試験運行をしていたようなのだ。

 つい先日に見に行った、あの晴海の客船ターミナルに隣接する空き地に係留基地を確保したそうで、ここから離発着して東京と横浜で本格的なクルージング運行をするという。高度500メートルの上空から都心部を周遊するそうで、運航ルートは、「晴海 → 東京タワー → 六本木ヒルズ → 神宮外苑 → 新宿副都心 → 東京ドーム → 浅草(東京スカイツリー) → 秋葉原 → 日本橋 → 東京駅 → 銀座 → レインボーブリッジ → 晴海」といった順らしい。いいなぁ・・・これで昼間は63,000円、夜間は68,000円だそうだ・・・高いような、安いような・・・やはり高いなぁ。しかし、私の一家は好奇心旺盛という意味では人後に落ちないので、そのうち気がついたら、上京した両親とともに我々もこれに乗って下界を見下ろしているという冗談のようなことになっているかもしれないので、いやはや・・・おそろしい。

 ちなみに、この飛行船は、ツェッペリンNTといって、全長は75.1メートルで、ジャンボジェット機よりも大きく、もちろん現時点では世界最大の飛行船ということだ。昔のツェッペリン号は、水素の爆発で敢えなく空の藻屑となったが、これはそういうことのないよう、燃えないヘリウムガスを充填し、それで浮いているらしい。それはいいとして、日本は夏や秋になれば台風があるし、低気圧でも強烈な風が吹くときがある。そういう場合に、こうした硬式の飛行船をどこにどうやって係留するのか、大いに興味があるところである。

 ところで、もう一枚の写真は、この日の帰りに立ち寄って、ブルーマウンテン・コーヒーを楽しんだ喫茶店にあった陶製の人形である。リヤドロのような雰囲気の抑えた色に加えて、ファニーフェィスのとても素敵な顔をしているので、ひと目で気に入ってしまった。ここの店主が変わってからは、なかなか趣味のよいものが置かれるようになった。

リヤドロらしき陶製の人形


(2010年4月10日記)



【後日談】 日本飛行船の破産

 この記事を書いてからまだ2ヶ月も経たないというのに、今朝の新聞には、飛行船で都心遊覧飛行を行うこの「日本飛行船」という会社が自己破産の申立てを行う準備に入ったと報じられていた。負債総額は約14億円とのこと。そもそもこの会社は、2020年に、飛行船による愛知万博の宣伝広告を行う目的で設立されたという。その後、所有する世界最大級の飛行船「ツェッペリンNT号」を使って07年から遊覧飛行に乗り出したものの、最近は資金繰りに逼迫していたそうな。

 都心の夜景を見るために、私も一度は、この飛行船を使った空の旅をしてみたかった気がするが、それにしても、あたかも飛行船のごとく、ふわふわと泡のように空に消えてしまったものだ。今時の日本には、かつてのバブル期のような熱気はとても感じられないから、もうそういう機会は、二度と巡って来ない気がするのが残念である。



(2010年6月 1日追記)


カテゴリ:- | 09:43 | - | - | - |