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表参道青森ねぶた

神宮前の青森ねぶた


 すでに時刻は午後5時を回り、やって来た明治神宮の近辺が夕闇に包まれていく。そこから表参道に続くケヤキ通りが、次第に暗くなってきた。5時45分から、このケヤキ通りの下り坂を、青森ねぶたが通るというのである。両側の車線を止めてその一方をねぶたが通り、他方の車線は中央分離帯の低木のところまで出てきて見物してよいという。そうして待っていると、あたりを見回す時間もある。さすがにここは東京の繁華街だけに、通りの両側に立ち並ぶ美容室や飲食店、それにブティックやらブランド・ショップは、まるで不夜城のように煌々と電気の光を灯している。しかしそれでも、暗くなっていく周囲には抗いがたいようで、その照明の光、信号機の赤や青の光だけが暗闇に浮かぶがごとくである。

神宮前の青森ねぶたのハネト


 とそのとき、通りの先の方からかすかに、わーっという大勢の歓声のようなものが聞こえてきた。それとともに、ピョーヒョロロー、タンタンタン、ドン・ドンドンというお囃子の音が聞こえてくる。ああ、始まったようだ。ピョーヒョロロー、タンタンタン、ドン・ドンドン・・・これだこれ・・・昔、青森県ねぶた会館で聞かせてもらった懐かしい音だ。近づいてきて、カメラのファインダーに収まる位置に来た。私の周りの人々が次々にカメラを構えてシャッターを切る。私も負けじと、オリンパスのカメラを青森ねぶたに向ける。

神宮前の弘前ねぷた


 ねぶたの一行は、もっと近づいた。先頭には、大勢のハネトと呼ばれる派手な衣装をした集団が、口々に「ワッセー・ワッセー・ワッセイラァーッ」と叫びながら、上下に文字通り「ハネル」・・・わぁわぁ、これは本物だ。男性も女性も、もの凄い迫力である。確か去年は、こうやってハネトの数だけは何百人と多かったのだけれど、その大半が東京で公募したせいだろうか、「ハネト」というにはもう全然お粗末で、単にねぶたと一緒にあるいてお互いに写真を取り合っている始末。それに比べると今年の場合は、その点をちゃんと言い聞かしたか、あるいは本場の人を連れてきたかで、ともかく昨年のぐうたらハネトとは月とすっぽんの高い力量のハネトが多く、見物人としては、まがい物を見ることなく、本場の祭りの雰囲気を大いに味わうことが出来たのである。これはこれで、大きな進歩である。

神宮前の弘前ねぷた


 ちなみに、今年も運行する青森ねぶたのほかに、明治神宮前広場には弘前ねぷたも置かれていて、そちらの方にも行って、じっくりと写真を撮ってきた。こちらの方も、非常に派手な意匠でしかも形が丸いから、青森ねぶたとはまた別の味わい深いものがある。しかし、これが動いている姿も見てみたかった。


(2010年11月 1日記)


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