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徒然187.皇居と二重橋の秋

和田倉噴水公園


 よく晴れた秋の日、お昼に二重橋の駅に降り立ち、そこから散歩に出かけた。まずは和田倉噴水公園に向かう。公園の真ん中に三基の大きな噴水がある。秋らしい真っ青な空に高々と水が吹き上がり、空の青さとたなびく白い絹雲の対比が実に美しい。また、この季節はちょうど銀杏の黄葉が真っ盛りであり、これまた青い空のキャンバスに真っ黄色の影が食い込むがごとくで、本当に素晴らしい。まさに秋の最盛期というわけだ。公園の片隅に、現代オブジェのような噴水のカーテンがあり、いかにもヴィーナスが出てきそうな雰囲気のあるところが面白い。

和田倉噴水公園


 この二重橋から皇居に向かって行幸通りという大きな通りがある。この通りは、各国大使が信任状を奉呈する際に、迎えの馬車が通るところである。道の両脇には、立派な銀杏の木が並んでいて、こんなところを中世そのままの御者付き馬車に揺られて皇居に向かうというのも、なかなかよろしい趣向である。各国大使の記憶に長く残るものと思われる。

行幸通りの銀杏並木


 その通りに並んでいる銀杏の並木は、今が盛りの黄葉となっているが、都内のほかの銀杏に比べて、いつもここだけは黄葉が早い。現に今日も銀杏の木の先端では、もう葉っぱが落ちてしまっている。これはなぜか、そういう種類の銀杏なのかと思っていたら、ある新聞を読んで初めてその理由がわかった。陽当たりと剪定のせいだという。つまり、陽当たりがよくて剪定をしていないと、その葉はさっさと寿命を終えて黄色くなり、落ちてしまう。ところが、陽当たりが悪くて剪定をされてしまうと、その逆境の中で懸命に生きようとしてなるべく緑を長続きさせていこうとする。だから、黄葉になるのが遅れるのだという。なるほどそうかと納得した。

行幸通りの銀杏越しに見た青い空


 足は皇居の方へと向き、改築中のパレスホテルの向かいにある巽櫓に行く。ここは、よく時代劇でも使われるお馴染みの櫓(やぐら)である。真っ白い壁が桔梗濠に映えて、美しい。その濠に沿ってゆっくりと回る。途中、左右に見える松の木が誠に魅力的だ。あるものは2人でダンスをしているように見え、あるものは空に向かってイヤイヤながら伸びていっているようである。

巽櫓と桔梗壕


2人でダンスをしているように見える松の木


 やがて、二重橋のところに着いた。およそ半世紀前のことになるが、両親に連れられて妹たちとここにやってきて、まさにこの場所で写真を撮ったことがある。その写真は、まだ手元に残っている。これを見ると、妹たちは、ほんの4〜5歳といったところである。実は、ここから見える眼鏡のような橋は、二重橋ではなくて、その奥の方にあってよく見えない橋が本物の二重橋だと聞いたことがある。まあ、それはともかく、こうやって半世紀を隔ててまたここに来ようとは・・・いやそれどころか、毎日この前の内堀通りを車で通って通勤までしているとは・・・当時は思いもしなかった。人生というのは、意外の連続である。だから、面白いのかもしれない。

眼鏡のような橋の奥が二重橋


 最後に、丸ビルで食事でもしようとして、外堀通りに向かい、馬場先濠を渡ったところ、その濠の水面に映った銀杏の黄色や緑色、そして建物の色が素晴らしく綺麗で、思わず見とれてしまった。これだけでも、東京で40年近く、無我夢中で働いてきた甲斐があったというものである。

馬場先壕の水面に映った銀杏の黄色や緑色そして建物






 皇居と二重橋の秋(写 真)は、こちらから。


(2010年11月17日記)


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