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しながわ水族館の海牛

アオウミウシ


 先々週は西日本で大変な災害に見舞われたと思ったら、先週は連日摂氏40度になろうとする猛暑が続いた。そうしたところ、今度は関東圏から中部圏そして近畿圏にまたがって台風が直撃した。異常気象も、ここに極まれりというわけだ。そういう中、涼しくて大雨にも大丈夫な「しながわ水族館」に行ってきた。前回は2010年に行ったから、8年ぶりとなる。

 実は今回は、「ウミウシ」特別展が開催されている。これが、行ってみようと思った動機である。ウミウシ(海牛)というのは、「後鰓類」という巻き貝の一種であるが、元々持っていた貝殻が縮小していたり、体内に埋没していたり、甚だしいのは消失していたりする種だ。そうすると外敵に対して防護手段がないのではないかと思うのだけれど、どういうわけか、鮮やかな色合や模様を呈しているものが多い。そのため、シンデレラとか、ハナオトメなどという派手派手しい名前がつけられている。色鮮やかだから、被写体としては最適だ。私は、アオウミウシが気に入って、しばらく眺めてから、写真を撮ろうとした。


アオウミウシ


 ところが、なかなか撮れない。まずは大方のウミウシが余りにも小さくて、数cm以下だ。しかも、それが水槽の中にいるものだから、ただでさえ撮りにくい。次に、水面近くを這い回っていたり、隅っこにいるものだから、これまた撮りにくいのである。うっかりしてマクロレンズを持っていなかったこともあり、四苦八苦しながらどうにか何枚かを物にした。

ハナオトメウミウシ


テヒダイボメウミウシ


 それにしても、妙な動物である。ピンク色、白と黒のブチ模様、白い身体にオレンジ色の玉模様、青と黄色の縞模様など、まさに色々だ。でも、どれにも共通なのは頭の上に2本の角、お尻のところに尻尾みたいなものが付いている。ノロノロと動いている。まるでナメクジそのものだ。なぜ襲われないのだろうと調べてみたら、まず全然美味しくないらしいし、それだけでなく、中には有毒なものを食べてその毒を蓄積しているものもいるらしい。フグのような生き残り戦略である。

クリオネ


クリオネ


 同じく貝殻の退化した後鰓類で、北方の海中で天使の翼のようなヒレで遊泳するのが、クリオネ(ハダカカメガイ)である。「裸殻翼足類」というそうだ。これも展示してあって、体が半透明でオレンジ色の頭や内臓が見えるが、頭に角のような2本の可愛い突起があり、小さな三角形の翼を広げたり閉じたりして美しく優雅に泳いでいる。背景を青くしてあるから、泳ぐ姿がはっきりと見える。つくづく眺めていると、本当に不思議な生き物だ。いつぞやのテレビ番組で見たが、エサを獲るときは、この頭が割れて6本の突起が出、それで押さえ込んで力づくで捉える。まるで天使が一瞬にして悪魔になったように感じたものである。何でも、見かけで判断してはいけないということだろう。

グレートバリアーリーフ


ナポレオン・フィッシュ


 ところで、この品川水族館の売りのひとつは、イルカ・アシカのショーなのだが、1週間ほど前にバンドウ・イルカのチィナが出産したので、この日は中止となった。もうひとつは、トンネル水槽で、アオウミガメが非常に印象的だった。こちらは、以前とあまり変わりがない。ともかく、繁殖に成功しておめでたいことである。そのほか、グレートバリアーリーフの熱帯の海は相変わらずきらびやかなお魚が泳いでいたし、ナポレオン・フィッシュは堂々としていた。ニモとして有名になったカクレクマノミは、実に可愛い。オオカミウオは、よく見ると、結構トボけた顔をしていて面白い。クラゲは、いくつか展示してあったが、どれも小型であまり印象に残らなかった。近く、クラゲ専門の鶴岡市立加茂水族館から援軍が来るてくれるそうだ。そういう交流で、切磋琢磨してくれれば良いと思う。

カクレクマノミ


オオカミウオ


クラゲ








 しながわ水族館(写 真)


(2018年7月28日記)

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