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ドリアン図鑑

ドリアンの外観


 私は、王様の果物といわれるドリアンを、こよなく愛する一人である。ドリアンの魅力については、この悠々人生のエッセイでも何度か取り上げている(その1その2)。ドリアンの原産地はマレー半島である。話は飛ぶが、実はバナナの原産地も同じくマレー半島で、私は種が一列に並んで入っている小さいバナナの原種を見たことがある。ただ、不味くてとても食べられたものではないそうだ。

 それと同様に、カンポン(田舎)産のドリアンには、かつては色々な種類があった。種の多様性というものだろう。ドリアンといえば、あのトゲトゲの果実を開いてみると、黄色の実が現れるのが普通である。ところが、私が一番驚いたのは、カンポン産の中に、黄色ではなくて文字通り「ピンク色」のドリアンがあったことだ。食べてみると、なかなか美味しかった。地元の人も、これは珍しいと言っていたほどだ。その他、味にしても、大きさにしても、実の色にしても、まるで日本の蜜柑や林檎のような多様性がある。問題は、果実を開いてみなければ、味の良し悪しが分からないことだ。2,000円近い高いお金を払って買ったのに、ひどく不味かったでは、がっかりする。そういうわけで、近頃はドリアンの売り手の方も工夫をして、美味しいドリアンにはブランドを付けて売るようになってきた。

 なかでもトップ・ブランドが、「猫山王(Musang King)」(1,000円/kg)で、これは掛け値なく美味しい。その代わり、普通のカンポン産のドリアンと比べると、値段は倍ぐらいになっている。その他、「D24 XO」(750円/kg)など、様々なブランドが育っている。私の現地の友人から、そうしたブランド化されたドリアンについての資料を貰ったので、私の心覚えのためにも、下に掲げておきたい。

ドリアンの実だけを取り出したもの


 ところで、現地で言われるのは、ドリアンがあまりに強烈な果物であるだけに、色々な伝説がある。それを集大成したものが、次の6つのタブーである。ただ、私は、昔の日本で言われた「食べ合わせ」(「天麩羅と西瓜は同時に食べるな」など)のようなもので、(2)のアルコール以外については、本当かどうかは、かなり疑わしいと思っている。

  (1)カフェインとともに食べないこと。
  (2)アルコールとともに食べないこと。
  (3)蟹とともに食べないこと。
  (4)コーラとともに食べないこと。
  (5)乳製品とともに食べないこと。
  (6)茄子とともに食べないこと。

 ドリアンを巡る話は尽きないが、最近は中国経済の急拡大に伴い中国がものすごい勢いで輸入するようになって、価格が高騰するようになった。だから、高級なブランド物は、あっという間に価格が2倍から3倍になって、地元では金持ちはともかく、普通の人はカンポン産のドリアンしか手が出なくなった。そういう状況を見て、ドリアンの産地のプランテーション農園にも、新規参入が相次いでいる。私がテレビで見たのは、なだらかな丘陵地帯で、いかにもかつてはパーム椰子が植えられていたようなところに、ドリアンの苗木が幾何学模様を描いて整然と植えられている情景である。しかも、個々の苗木の根元には散水装置まで設置してあって、その稼働状況をビデオで監視している。これには驚いた。これらの最新鋭の農園が本格的に生産する頃には、ドリアンの価格が再び安くなることを祈りたい。

 その反面、一部の農園で行われていると言われているのが、成長促進剤の使用である。日本の「桃栗3年、柿8年」の伝でいくと、ドリアンは、柿と同じで果実が生るまで8年かかる。しかも、果実が大きくて重いものほど高く売れる。だから収穫までの期間を短縮したり、果実を大きくしようと化学物質を使うのである。日本でも種無し葡萄の作出に使われているジベレリンではないかと思うが、消費者にとってあまり気持ちのいいものではない。








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(2018年8月21日記)


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