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梅と寒桜とメジロ

新宿御苑のメジロ"


1.亀戸天神の梅

 3月もそろそろ中旬に入ろうとする頃、久しぶりに快晴の土曜日となった。これはどこかで写真を撮って来なければと思い、家内を誘って亀戸天神に出かけた。梅が見頃と聞いたからだ。亀戸天神といえば藤の花だから、梅の木なんてあるのかと思ったが、いざ着いてみると、池の周囲と本殿の両脇に梅の木があってなかなか立派だった。


青い空に赤い鳥居が目立つ亀戸天神


ピンク色の枝垂れ梅越しに、欄干が赤い太鼓橋


 参道に入って行くと、青い空に赤い鳥居が目立つ。正面は丸い太鼓橋だが、紅白の梅に誘われて左手に進む。すると、ピンク色の枝垂れ梅越しに、欄干が赤い太鼓橋が見えるポイントがあった。ただ、梅の花があまりにばらついていることから、写真の構図としてはなかなかうまくいかないのが残念である。

本殿の両脇には、向かって右が紅梅、左手が白梅の大きな木


菅原道真公5才


 本殿の両脇には、向かって右が紅梅、左手が白梅の大きな木である。その本殿のバックには、東京スカイツリーがちょっと顔を覗かせている。まさに旧と新の組み合わせだから面白い。菅原道真公が僅か5才の頃、紅梅が美しいことから「美しや紅の色なる梅の花 あこが顔にもつけたくぞある」という一句を詠んだというから、ただ者ではない。文字通りの天才だったのだろう。

猿回し


 本殿の近くの舞台前では、猿回しのお兄さんが、元気な若いお猿さんとコンビを組んで、大道芸を披露していた。


2.清澄白河庭園の青鷺

 清澄白河庭園は、亀戸天神から比較的近いところにある。この庭園は、中心に大きな池があってそれを見るだけでも気分が清々するところである。しかし、それだけでなく、全国各地から集めてきた貴重な石を観て楽しむというのが「通」の過ごし方である。ただ私は、未だにそういう境地には至っていない。


中心に大きな池


 池の中には大きな鯉がいる。また、雁や鴨が飛んで来て、池に浮かんでいる。石の上には亀が甲羅干しをしている。実に長閑な風景だ。その中で、水辺に一羽の青鷺(アオサギ)が立ち尽くしており、その周辺にはどことなく緊張感が漂っていると思うのは、いささか考え過ぎなのかもしれない。

鴨


青鷺(アオサギ)


 池の裏手に行くと、背の高い木に、真っ赤な花がいっぱい咲いている。近づくと、ピンク色が濃い寒緋桜である。染井吉野の桜には2週間ほど早いので、今年初めての桜である。これは美しい。ただ、寒緋桜の桜は下向きに咲くので、どうも撮りにくい。露出をややプラスに補正して、何とか対応した。

ピンク色が濃い寒緋桜





3.神田明神のエドッコ


神田明神 随神門


神田明神 御神殿


 次の日は曇天だったが、神田明神まで出かけた。家内は久しぶりだったので、随神門と御神殿が格段に美しくなったと言っていた。随神門をくぐり、そのすぐ左手には、新しい建物があった。これは、3ヶ月前にオープンしたばかりの「エドッコ(EDOCCO)」と称する文化交流館だという。

神田明神 エドッコ(EDOCCO)


 コンセプトは「伝統と革新」で、神社らしい建築様式の建物ではあるが、現代アートの作品を展示したり、秋葉原が近いので土日にはメイドカフェやアイドルのイベントも開くというから、聞くだけでも頭が混乱しそうだ。


4.東京都庁の観光宣伝

 それから、東京都庁に行った。展望台に登って降りてきて、観光案内所を覗いて、面白いものを見つけた。正面に大きな縁起物の熊手が置いてあるが、それを真似たのか、東京の地区毎を紹介する「宝船」が飾ってある。それが実に良く出来ている。


中野区のコーナーでは高円寺の阿波踊りや仏像


台東区のコーナーでは浅草の雷門両国の相撲、上野公園のパンダなど


 例えば、東京の離れ島を紹介するコーナーでは、大島のアンコ椿のお姉さん、サーファー、小笠原諸島の熱帯の海にいる鯨、海亀、熱帯魚、ダイバー、温泉などが「飛び出す絵」のように立体的に作られている。中野区のコーナーでは高円寺の阿波踊りや仏像が、台東区のコーナーでは浅草の雷門両国の相撲、上野公園のパンダなどが描かれている。これには、感心してしまった。

新宿観光特使「ちびゴジラ」



 なお、東京都庁に行く道すがら、新宿住友ビルの壁面に、新宿観光特使「ちびゴジラ」という東宝のキャラクターが描かれている。昨年10月から今年3月までの期間限定ということだそうだ。今回は3回目で、前回は鉄腕アトム、前々回の初回は大人のゴジラの上半身だったそうだ。


5.新宿御苑の寒桜とメジロ

 新宿御苑は、桜の季節には必ず行って見ることをお勧めしたい。約1月にわたって、染井吉野だけでなく関山のような様々な八重桜がバトンリレーのように次々と咲き、実に見事なものである。それに比べて、本日は3月10日だから2週間ほど早いなと思いながら入園したところ、思わぬ光景に出会えた。意外にも、大きな桜の木が満開だったことだ。「寒桜」という。先程の清澄白河庭園で観た桜は「寒緋桜」で、あまりに赤色が強すぎたり花が下向きだったりして、桜というにはどうも認めかねるものだった。それに対してこの寒桜は、色もピンクで申し分ないし、とても華やかで良い。


寒桜



 それを愛でながらつくづく眺めていると、「チチチッ」という小さな声がしたと思ったら、数羽の小柄な鳥が飛んできて、盛んに花びらを啄ばみ始めた。体は黄緑色である。これはもしかしてメジロかと思って超望遠レンズをセットしてカメラを向けたところ、やはりそうだった。眼の周りが白いので、間違いない。しばらくその姿を撮らせてもらい、腕がだるくなるまで続けた。帰宅してパソコンで画像を見たところ、結構良く撮れていたので、大いに満足をした。これは良い休日だった。

寒桜を啄むメジロ


寒桜を啄むメジロ


 その他、この季節に新宿御苑で咲く花で普段はあまり見かけることのないものとして、木五倍子(きぶし)、三叉(みつまた)などがあった。三叉は、確かに一本の枝が三本に分かれて、その先にそれぞれ花を咲かせている。なるほど、名前の由来の通りである。

木五倍子(きぶし)


三叉(みつまた)





6.上野公園の猫とヒヨドリ

 先週末の土日、家内とともに、亀戸天神の梅を見たり、新宿御苑でメジロを見たりして、もう春の足あとが聞こえると思って、幸せな気分になった。今週また土曜日が巡ってきたが、いつ雨が降るかもしれないという天気だったので、今回は遠出はやめて、二人で不忍池と上野公園を通り抜け、御徒町へと歩いて行った。


上野動物園の猫


 途中、上野動物園の不忍口脇に、寒緋桜がある。それを見上げていたら、鳥が来て花を啄ばみ始めた。先週末は新宿御苑で同じような光景に出会った。その時はメジロだったが、今回の鳥は黒っぽいし、体がもっと大きい。ただ、お昼前だったので、逆光気味でよく見えないし、写真に撮ってもおそらく真っ黒に写るだろうから、露出を調整したとしても、絵にならないだろうと思って眺めていた。すると、側でそれを見ていた動物園のガードマンのおじさんが、「先週まではメジロが来ていたんだけど、その次は、ヒヨドリがやって来るのさ。」と教えてくれた。「なるほど、あのヒヨドリか」と思いつつ、お礼を言って、その場を離れて不忍池に向かった。

桜の木の上の方に、ヒヨドリがやってきた


 不忍池をぐるりと回り、上野公園の入り口に行くと、両脇の2本の大きな桜がもう咲いている。ああ、これも寒桜だから早めに咲くのだ。その前では、中国人らしき観光客が大勢、写真を撮っている。女性は、片脚を少し前へ出して小首を傾げるなど、ポーズをとるのがとても上手い。交番脇の寒桜の木の幹の股には、飼い猫が置かれていて、なかなか可愛い。それを見ていると、桜の木の上の方に、ヒヨドリがやってきた。今度は逆光にならずに撮れる。少し遠いしメジロより動きが早いので、撮るのにはひと工夫もふた工夫も必要だが、何とか撮ることができた。

 それが終わって、御徒町で食事をする。家内は体重を増やさなければいけないので、しっかりと食べてもらい、私はせっかく減量した成果を無駄にしたくないので、軽く済ませた。ところが、店を出てみると、少しお腹が空いている。結局、近くの「みはし」で甘いものを食べてしまったから、何をか言わんやだ。


ユリカモメ


 それからデパート地下で買い物をする家内と別れて、私は再び来た道を通って家に歩いて戻った。その途中、不忍池で鳥を撮った。鴨は平和でよろしいが、ユリカモメは、その険しい顔付きといい、鋭く尖った嘴といい、かなり恐ろしい鳥だ。そういうことからも、鳥類は恐竜の子孫という説は、本当だと思う。ちなみに、別名、寝癖鳥というキンクロハジロが、いたいた。頭の後ろの寝癖のような毛が、何とも可愛い。

キンクロハジロ








 梅と寒桜とメジロ( 写 真 )








(2019年3月10日記。17日に6.を追加)


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