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徒然304.マイナポイント

マイナポイントのHP1


 特別定額給付金(令和2年春の新型コロナウイルス禍に際して、全国民に10万円を支給する事業)に関してオンライン申請の方法を調べていた時に、「マイナンバーカードでマイナポイント」というキャンペーンがあることを知った。これは、「マイナポイント事業は、マイナポイントの活用により、消費の活性化、マイナンバーカードの普及促進、官民キャッシュレス決済基盤の構築を目的とする事業で、マイナポイントの申込を行った決済サービスの利用(チャージまたは購入)額に応じて付与され、プレミアム率はチャージ額または購入額の25%で上限5千円分」だそうだ。つまり、対象の決済サービスを2万円使ったりチャージしたりすると、5千円分がポイントとして付与されるというわけである。それにしても、25%というのは大盤振る舞いだ。平成元年10月から消費税を8%から10%に引き上げたが、その罪滅ぼしというわけだろう。

マイナポイントのHP2


 老化防止の頭の体操としてちょうど良いから、私もマイナンバーカードで手続をしてみることにした。まずは「マイナポイント予約(マイキーID設定)」をしなければならない。これは、各種オンラインサービスで本人を認証するために使うものらしい。その上で、7月から「申込み」が始まる。これは自分が実際に利用するキャッシュレス決済手段をひとつ選んで「紐付け」する。そして、そのキャッシュレス決済手段を使うと、ポイントが還元されるという。それが9月から来年3月まで、予算のある限り続くそうだ。予算は、4000万人分、用意しているとのこと。

マイナポイントのHP3


 それではマイキーIDの設定をしよう。パソコンから行う方法とiPhoneから行う方法とあるが、パソコンはプラウザがEdgeやChromeではできないようなので、iPhoneにした。まずは、「マイナポイント」というアプリを入れ、それを起動する。マイナンバーカードの上にiPhoneを乗せて読み取らせる。同時に4桁の暗証番号を入れる・・・あれ、読み取ってくれない。二度三度とやってもダメだ。中断して理由を調べてみると、下が金属だと読めないらしい。場所を変えてやってみると、成功した。家内のマイナンバーカードも同様に成功し、二人のマイキーIDを取得した。あとは、7月の紐付けを待つだけだ。でも、この一連の作業は、ITに詳しくない高齢者には、難しいだろうな・・・一種のデジタル・デバイド現象であるが、このところますます進んでいると感じる。

 ところで、マイナポイントの対象として、6月6日現在でどんなものが登録されているのかと調べてみた。すると、クレジットカードのグループでは、私でも知っているのは「三井住友カード」や「楽天カード」くらいで、後のほとんどが「たんぎんバンクカード」、「ごうぎんカード」など地方の聞いたことのないカードばかりだ(前者は但馬銀行、後者は山陰合同銀行のカードらしい。)。私が使えそうで馴染みのあるものといえば、電子マネーグループの「Suica」と「nanaco」、プリペイドカードグループに分けられている「auペイ」ぐらいしかないのには驚いた。クレジットカードのインターナショナル・ブランドである 「VISA」、「Master」、「JCB」が、どこにも見当たらない。一体どういうことだ。代わりに、ローカル・ブランドの「個別のカード会社単位」で登録しているようだ。

 なぜだろう。一つの考えは、事業開始の9月まで時間があるので、まだ登録していないのか、あるいは2つ目の考えとして、これは日本国民の電子マネー化を推進する事業だから、ナショナル・ブランドでなければ助成しないというつもりなのか、それとも他に理由があるのか、どうもよくわからなかった。

 以上を踏まえると、私の場合は、結論として「Suica」と「nanaco」しか使えないではないか。このうち、近くにイオンがないのからnanacoで半年間に2万円も使うことはない。だから「Suica」で使うしかないのか・・・国のやるのはどれも同じで、実に使い勝手の悪い制度である。それでは、9月に始まる時に、「Suica」に2万円をチャージすることにしよう。




(2020年 6月11日記)




【後日談1】紐付けとチャージして準備完了、使用開始

 さて、7月になった。6月にもらったマイナポイントの番号(マイキーIDの設定)と、自分が使うSuicaカードとをやっと紐付けることができる。Suicaには固有の識別番号があるので、マイナポイントのアプリにそれを入れれば簡単に紐付けることができるものと思っていた。ところが、とんでもない。まずは、JREポイントのページを開かないといけないらしい。

 実はJREポイントには、かつて嫌な思い出がある。その当時、私は「びゅう」、「駅ネット」、「モバイルSuica」、「大人の休日」、「JREポイント」とバラバラに持っていた、そうしたところ、あるときJR東日本の方針で、IDは「My JR-EAST ID」に、ポイントは「JRE」にそれぞれ一本化するということになった。私の場合、IDとパスワードが各サイトごとに別々にしてあったことがそもそもの混乱の元で、一本化に際してその全てをアプリに入れなければならなくなった。その当時は今のように乱数でパスワードを発行してそれを自動的に入れてくれるというアプリやiPhoneが利用できる便利な仕組みではなかったので、一つ一つ思い出しながら入れて行ったが、それだけでも大変だった。

 しかし、それだけでは済まなかった。ボットの排除のためか、各サイトの本人確認に妙な画像が使われるようになった。例えば、「下のうち車に関係している写真を全て挙げてください」 とあり、あろうことか、その写真なるものがとっても見にくい。そのため、せっかく正しいパスワードを打ち込んでも、それが間違っていて最初からやり直しになることがしばしばあった。それやこれやで、あまりログインしたくないサイトなのである。だから、どうしてもJREにログインしなければならない場合には、まず画像による本人確認のない「My JR-EAST」に入り、それから各サイトに行くという手順を踏んでいた。そういうわけで、このマイナポイントのせいで再びJREポイントのサイトを開くというのは、全く気が進まなかった。

 これは困ったと思って、マイナポイントのサイトを再び見た。すると、その中の使えるキャッシュレス手段として、Suicaとともに、PASMOつまり地下鉄版のSuicaがあるではないか。これなら、JRより構造がもっと単純だろうと思ったら、やはりその通りで、東京メトロのサイトだけを見て、あっという間に手続きが完了した。もっとも、私が持っているのは無記名カードなので、それを落としたようなときには、私の下に返ってこない。だから、記名カードにしたいと考えた。

 駅の係員に「記名カードにするにはどうするのか」と聞いたら、「駅のピンク色の券売機で出来ますよ」とのこと。あんな素朴な機械でできるのかと驚いたが、確かに、PASMOカードを入れて電話番号とカタカナの名前を打ち込むと、それで終わり。しかも、そうして券売機から出てきたカードには、ちゃんとカタカナで私の名前が書かれていた。それまでは単なる切符販売機だと見下していたが、どうして、どうして意外な高性能な機械に生まれ変わっていた。それに2万円をチャージして、これで使用準備を完了した。家内のPASMOカードにも、同様の手順で準備を終えた。

 なお、PASMOカードには、最高2万円しかチャージできない。元からの設定らしい。今回のマイナポイントの上限も2万円だから、たまたま一致している。それは良いのだが、PASMOカードに、残額がたとえば243円あると、19,243円しかチャージできないことになる。もっともこれは、使っていて19,000円を切ったところで追加で1000円をチャージすればよいことである。

 以上の準備を経て、9月1日のマイナポイント開始の日を迎えた。電車やバスの乗り降りにはもちろん使える。そのための前払いカードなのだから当たり前だ。駅構内のスーパー成城石井でも使えた。ところが、誤算が生じたのは、近くのスーパー赤札堂では使えなくてクレジットカードとPayPayだけだということが分かったし、スーパーマルエツもダメだった。

 何だこれでは、チョコチョコと電車賃代わりにするしかないのかと思っていたら、意外にも近くの喫茶店では使えた。ではここで、毎日お昼でも食べるとするか。難儀なことだ。それにしても、マイナポイントは、いつどのように加算されるのだろうか?


【後日談2】利用は低調で想定の1割にも満たず

 9月1日のマイナポイント開始の日の新聞によると、政府は4000万人分、2000億円の予算を用意したが、8月30日現在の登録者は376万人と、想定の1割にも満たない。だいたい、その前提となるマイナンバーカードの登録は19.3%にとどまっている。

 それというのも、.瓮螢奪箸少ない、▲泪ぅ淵櫂ぅ鵐箸修里發里周知されていない、私が経験したようにデジタルに慣れていないと登録手続が難しい、い修發修皀泪ぅ淵鵐弌璽ードの取得が面倒で時間がかかる(自治体によっては1〜2ヶ月)などと、色々な障害があるためであろう。


【後日談3】クレジットカード大手が参加しない理由

 今回のスキームには、Suicaなどの前払い業界、PayPayなどのQRコード支払い業界はほぼ参加しているが、私が不審に思ったように、クレジットカード業界の参加が極めて少ない。全国的に名の通ったものといえば、三井住友カード、イオンカード、楽天カードなどに過ぎず、それらを入れても小規模のもの中心にたった23カードしかない。私が使いたかった三菱UFJ系のカードやJCBカードなど大手が一切抜けている。

 これはなぜかというと、表向きには、/祁織灰蹈淵Εぅ襯慌爾任料磴瓦發蠑暖颪妊レジットカードの使用が伸びており、他の業界に市場が奪われるという危機感が感じられないこと、△海里燭瓩離轡好謄牴修費用が5000万円ほどもかかることが嫌気されているとのこと。

 しかし、実はそれらは取り繕った表面上の理由に過ぎない。本当は 昨2019年10月から本年6月まで実施された「キャッシュレスポイント還元事業」における政府のあまりの仕打ちに憤慨したクレジットカード大手の会社が、今回は不参加を決め込んだからだ。

 というのは、キャッシュレスポイント還元事業が終盤を向かえた頃、政府が、カード会社と店舗との間の決済手数料を公表して、その引下げを図ろうとしたことだ。カード会社にとって、これはマル秘扱いの大事な収益源で、それを公表されたりしたら、それは堪らない。こうしたことが分水嶺となって、政府との仲が一気に冷え込んでいった。もちろん、たまたまその頃は、PayPayなどのQRコード決済の勃興期であり、中には20%還元等の大幅な値引きを打ち出していた時期だったという巡り合わせの不運も確かにある。そういう中にあって高々1%程度のポイント還元しか行わないクレジットカードの需要は低調であったことは事実である。それやこれやで、業界として、キャッシュレスポイント還元事業の轍を再び踏まないという決断に至ったのだろう。




(2020年9月6日記)
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